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最初で最後のおはようエクスプレス

敦賀で前泊し、夜が明けた。いよいよここからが今回のメインディッシュ。北陸新幹線開通とともに消えてしまう特急に乗っていく。

おはようエクスプレス

おはようエクスプレスもそうだが、右のしらさぎ52号は時間が繰り下がる。次来たときは臨時快速に移行することになっている。
おはようエクスプレス/金沢行き
オレンジ色の専用ロゴが目を惹く。

敦賀駅4番のりばに待機している特急「おはようエクスプレス」。敦賀駅始発で金沢へ向かう平日ダイヤ最初の特急でもある。

ちなみに逆方向で「おやすみエクスプレス」という列車もある。21時台の金沢発敦賀行きで福井→敦賀へは平日の最終特急となる。同じく平日限定だ。しかし、いずれも全区間が北陸新幹線と被るため消滅することとなった。

681系
紺とオレンジは「しらさぎ」用だが、サンダーバード増結や能登かがり火号にも使われ、汎用性が高い。

車両は特急「しらさぎ」カラーで3両編成のコンパクトサイズ。「しらさぎ」増結用だが、他の列車に使用される機会も多い。

新大阪駅に現れた「しらさぎ」色のサンダーバード。
出会えたら少し嬉しい鉄オタ笑

サンダーバードではこの色がくっ付くことが多い他、金沢から和倉温泉へ向かう特急「能登かがり火」にも使われる。

グリーン車は無く、全車自由席。事前予約で指定ができず、早い者勝ちとなる。ただ、敦賀の時点ではどこでも座れる。

敦賀発車

敦賀を出発。ロゴ通りの朝焼けが見たかったが、冬の北陸でそういうのはレア。でも、雨の曲聴けるだけ上がる僕だ。

自由席特急券
てか、自由席久々やな。

北陸トンネルに入ると車掌が検札にやってきた。自由席特急券を見せると用紙に印を打って去って行った。

指定席ではタブレットで確認するだけ。持ってない人や席を間違えてる人に声をかけるだけでいいから手間が省ける。JR特急で指定席が増えているのはそういうところがある。「サンダーバード」や「しらさぎ」では区間短縮と同時に自由席は廃止、全席指定になる。

南越前町今庄付近
今年は降ってもこの程度。

北陸トンネルを越えるとそこは雪国。普段なら海沿いも含めて大雪だが、今年は少ない。

ラッシュピークで並ぶ人々。
だが、ほとんどは普通列車。
4両で事足りる故郷とは大違いだ。

福井からはトレンチコートやスーツの通勤客が多数乗り込みかなり埋まってきた。ラッシュの通勤特急の様相だが、「乗り納めしてきとるなぁ」って人もいる。

大聖寺駅と加賀温泉

石川県に入って、大聖寺だいしょうじ駅に停車。停車する特急はこれと「おやすみエクスプレス」夜中の「しらさぎ」わずか4本のみ、大部分は通過となる。加賀市役所がある街の中心で、自動車部品などの工場も立地する。

加賀温泉駅
加賀温泉郷最寄りだけでなく、新幹線停車駅として進化する。

かつては動橋いぶりはし駅と分け合う形で加賀温泉郷最寄りだった。今より倍以上の本数が停車していた。しかし、この間にあった「作見駅」を移転させ、「加賀温泉駅」に改名、最寄り駅の座を明け渡した。

餞のプレイリスト

餞代わりのプレイリスト。最近CMで『ノーチラス』が流れていて、卒業シーンに合うというところからセレクトされている。

CMでは『春泥棒』も流れているが、個人的には『ノーチラス』を選んでくれたのがありがたい。『パレード』とともにオススメしたい。

そんな「おはようエクスプレス」に対する僕なりの一番の餞に『ノーチラス』を選んだ。

次はダイナスターに乗りに行く予定も決めた。
小松のボンネット特急
晴れてる?
いや、大雨やないか。
松任駅の車両工場跡地
北陸の名門工場で要だったところ。
ホームからでもいろんな名車を見ることができた。

金沢駅

新調された駅名標
グレーのシールをベロンと剥がすとIR仕様。

1時間20分くらいで金沢に到着。このまま車庫に入って行った。

ありがとう北陸本線!寄せ書き

改札横の寄せ書きブース

乗り換え待ちの間、改札口で寄せ書きを見つけた。北陸本線敦賀〜金沢間が第三セクターへ移行されるに伴うさよなら企画の1つ。紙の下地には現行の特急に加え、「雷鳥」「しらさぎ(旧型)」「スーパー雷鳥」「寝台特急北陸」など過去の特急もあった。

僕は「419系」という普通電車の柄を選んで、寄せ書き。寝台特急を大胆にも普通電車に改造したという訳ありな電車。2010年まで20年以上活躍。隠れた北陸の顔なのだ。

滋賀県内では2006年まで活躍し、新快速乗り入れに伴って、県内から撤退した。それまで故郷で毎日見慣れたこの電車は僕にとっては思い出の濃い電車。古いが故のけたたましいモーターは線路から数百メートル離れた僕の家にも轟いていた。いわば旧友のような存在だった。

北陸本線自体は「米原〜敦賀間」だけ残ることにはなるが、名前の由来である北陸地方は福井をかする程度。それだけに一旦は「ありがとう」と言える。ただ、残るのは残るし、滋賀育ちでも地元の路線だ。これからもひいきにする気持ちを込めてメッセージを綴り、金沢を後にした。

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