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旅先と近くの路面電車

6月10日は「路面電車の日」。6と10を路面電車の語呂に合わせ、路面電車利用促進を推進しようという日だ。かつては欠かせない市民の足だったものの、高度成長期や自家用車の普及、交通渋滞悪化などの理由でクルマや地下鉄などに置き換えられ、次第に数を減らしていった。
とはいえ、地方では現役で走ってるとこは数多くて、「LRT」という次世代型低床路面電車の注目、カーボンニュートラルなど環境面で見直されている面がある。

路面電車が無いところに住んでいる故に日常的に見れるものではないし、教習所で路面電車の安全地帯のルールも今ではあやふやなほど。(いやそもそも乗らんやろ!)とはいえ、京阪神近隣という範囲で言えば意外と馴染みがあったりする。

関西の路面電車

石山坂本線の「ちはやふる」ラッピング
地下鉄に直通する“路面電車”京津線

僕が住んでいる関西では、びわ湖浜大津駅付近で路面を走る京阪京津けいしん線と同石山坂本いしやまさかもと線、京都市嵐山、四条大宮、北野を結ぶ「嵐電らんでん」こと京福電鉄、大阪市と堺市を走る阪堺はんかい電気軌道(阪堺電車)の3つの路面電車が現役で、いずれも乗ったことがある。併用軌道では電車も車とほぼ五分五分の立場で交通信号を守っているし、電車自体も路面上では出せてもせいぜい30〜40㎞/hが限界。専用軌道や京津線が乗り入れている京都市営地下鉄線内はスピードを上げるものの、JRや私鉄とは違うスローな雰囲気がある。

阪堺電車の低床車両「堺トラム」

最近ではバリアフリーに配慮した低床型の路面電車がちょこちょこ増えているが、古い電車も結構現役が多かったりする。路面電車は総走行距離が短い上に高速走行しないため、ガタが少ない。それ故に見た目は新しいけど、モーターや台車は旧型車のおさがりという電車は珍しくない。

嵐電の路面電車

『嵐電』の電車も2両を除いてほぼ、旧型車を車体だけ取り替えた車両が大方を占めていて、「つりかけ」という仕組みのド低音のモーター音を令和の今でも当たり前のように楽しめる。また、『嵐電』は山ノ内停留所以外高床ホーム。バリアフリー上ほぼ問題ないのも、モーターが長生きできる所以なのかも。ちなみに京阪や「東京さくらトラム」こと都電荒川線も路面電車ながら同じようなホームとなっている。

旅で乗った

四国で

1度目の四国で撮った市内電車。今はオレンジ1色に塗り直された
左右に延びる市内電車の線路を横切る郊外電車。この時市内電車は踏切待ちをする。

旅先だと愛媛県松山市内を走る伊予鉄道市内電車に2度乗ったことがある。1度目は大手町停留所近くで郊外電車(通常の電車)と市内電車の線路が直角交差する通称「ダイヤモンドクロス」で響かせる独特の車輪の音を堪能しつつ、いろんな電車を撮影した。中には僕が住んでいる京都育ちの路面電車もいて興奮した。2度目はJR松山駅から宿までの移動で乗り、音楽も合わせて堪能した。

さらに2度目の四国では高知で「とさでん交通」の路面電車に乗車し、「はりまや橋」交差点で撮りまくった。本当は外国生まれの路面電車も乗ってみたかったが、どうやらあまり走る機会は少ないそう。

広島で

広島では「お好み焼き」で終わってしまったが、暇つぶしで撮った「グリーンムーバーAPEXエイペックス」というゲームのような電車を始めひっきりなしに来るたくさんの電車を撮ることができた。

富山で

富山の路面電車では「水戸岡マジック」にかけられたレトロな路面電車に乗車。水戸岡さんらしく木材ふんだんでおさがりの灯りを用いているなどオシャレにリノベーションされていて楽しい電車だった。今度は「サントラム」や富山港線「ポートラム」環状線「セントラム」などのモダンな低床電車にも乗ってみたい。

セントラム
福井鉄道「フクラム」
「サントラム」

他にもたくさん

北陸の路面電車は他にも多くて、福井県には福井鉄道と相互乗り入れしているえちぜん鉄道所属の「ki-bo(キーボ)」、富山県高岡市には万葉線がある。福井鉄道は「フクラム」、万葉線は『ドラえもん』のトラムや高岡名産のお鈴の発車メロディなどの見どころ聴きどころが多い。福井のは撮るだけに終わったが、是非乗ってみたい。

他にも札幌、函館、豊橋(愛知)、福岡、長崎、熊本、鹿児島、岡山にあり、来年には宇都宮とその隣である芳賀町はがまちにも登場する予定でまだまだいろいろ乗ってみたいところ。昔ながらからモダンなものまで種類が多く楽しい。

車やバス、地下鉄などに淘汰された過去から今や環境に良いとして見直され、栃木のような新規参入も出始めたほど。限られたところにしか存在はしないものの、普通の大きな電車やクルマとはまた違った旅情ある雰囲気でまた違った楽しみができそうだ。

ストリートミュージシャンの投げ銭のような感覚でお気軽にどうぞ。