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雨上がり、月と猫

史上最大規模となったヨルシカツアー『月と猫のダンス』。過去に開催された6大都市に加えて沖縄那覇で初開催となった。僕も4月26日の大阪「フェスティバルホール」の公演に行ってきた。

最初は「解せんなぁ」となっていた。でも、あらすじや『幻燈』が予習材料だと分かった。こうなると、かなり気合いが入ってきた。画集も買ってデータ量ギリギリの猛予習をしてきた。

雨降りのライブ当日

『雨とカプチーノ』みたいな朝。

『雨とカプチーノ』の世界観のような本降りの雨。雨でもけっこうアガる僕。

なんてこった、パンナコッタ…

しかし、愛用のウォークマンがこんなことになってしまって初っ端曲が聴けなかった。なんとかテザリングで取り戻しはした。なんと幸先が悪いこと。

雨の中を爆走する新快速

今回は新快速で大回り。「幸先が悪い」とはいえ、この1本後の新快速が「車両の確認」。大幅遅れとなった。ギリセーフ。

四つ橋線へ乗り換え。って電車の色suisさん!

大阪駅まで来て、西梅田から四つ橋線へ。電車の色を見ると

suisさんの髪やん!!

と興奮。好きになり過ぎるといろいろ当て付けるようになるもんだ。

駅と会場が直結
フェスティバルホール

肥後橋駅。今日の会場はここからすぐの「フェスティバルホール」。地下を通れば、雨に濡れなくていいのがありがたい。

物販を済ませて、快活クラブでウォークマントラブルを解決。梅田をぶらり。ご飯を食べたらさぁ開場。

開演前

よく見ると「ナブナノアニシカ」って書いたる🤣
今回のセット

今回も開演前にセットを撮ってみた。前回同様家のよう。ただ、中央には絵の具やキャンバス立てなどが置いてある。今回の主人公が「画家」であることの世界観だ。

開幕

19時。暗転し、開幕。

Writen by n-buna

という文字と共に、1人が壇上に現れた。

プロが登場

明転し、出てきたのはn-bunaさん、ではない別の人物。実は今回、プロの役者が「ストーリーテラー」を務めている。

会場によって3人が交代で出ているが、名古屋とここ大阪は村井成仁なるひとさんが担当。数多くのミュージカルに出演実績があり、10年以上第一線で活躍している。

村井さんの動き

村井さんは、本を模したタブレットを携え動きを交えて朗読、声のハリからしなやかで繊細、時にコミカルな動きや表情まで、体全体で表現する力を感じる。

表現の限界

掠れ声で一人語りするだけのn-bunaさんも良いが、やっぱり語りにおける動きではn-bunaさんでは表現に限界があったのではないだろうか。

表現したい野心

演劇は中学高校止まりの僕だが、なんとなく興味が湧くかもだし、声で表現したいという野心を引き立ててくれるかのよう。

物語

物語はどこかスランプ気味の画家が息抜きのピアノソナタを弾いたら動物が次々と集まるというもの。

だいたいラババンに描かれているこれらの動物がピアノソナタに惹かれて、順を追って出てくる。

チームヨルシカ登場

猫の声の後のピアノのメロディに乗って現れたのは「チームヨルシカ」の楽器隊。

インストゥルメンタルから始まってしばらくすると、ボーカルsuisさんも現れ、『ブレーメン』からスタートする。

前回、前々回は遠目で見る形だったが、今回はかなり前の方でど真ん中。顔は光の加減で一瞬だけ見えるか見えないかだがsuisさんがリズムに合わせてゆらゆらと動くのはしっかりはっきり見えた。

この曲で救われなくちゃ

とラジオで話してたことが動きに現れてるようで、自分も楽しくて涙もほろり。

2人のビジュアル

n-bunaさん、suisさん2人の衣装は藍色のような暗めの青系ジャケットにスラックス。suisさんは金髪に染め上げて、後ろで結んでいる。

2人がお揃いなのは珍しいものの、よく似合ってるし、ラジオで仲良しなのも知ってるから尚更。おまけにsuisさんはブルー系統が似合う。

又三郎

その次は『又三郎』。このライブの中では一番スピード感ある曲で個人的にも雨や風のキツい日を中心によく聴く好きなやつ。

このときのsuisさんの声は、シャウトするように力を振り絞るような感じで原曲とはなんとなく違う感じ。あと、キーボード平畑徹也さんのヘドバンも「やっぱり来た笑」と楽しめた。

さよならモルテン

次のパートの語りの最後を聴くと「もしや、あれ?」というところで『老人と海』。続けて、『さよならモルテン』が来た。

『さよならモルテン』はサブスクには無く『幻燈』を買わないと絶対聴けない曲。買ってよかったと思える瞬間だ。

その後は記憶や曲順を覚えてないので、個人的に印象的でハイライトなシーンを紹介する。

451の“笑撃”

『月に吠える』の後、暗転し、suisさんが下手に逸れて、上手側手前にn-bunaさんが出てきた。そして、明転すると、電光石火の激しい動きとともに『451』が始まった!

ギタープレイの5倍、suisさんの10倍はアクティブに動く。ジャケットを脱ぎ捨て、歌詞の如く燃えるように歌うパフォーマンスは感銘よりもクセが凄すぎて終始笑いが止まらない。思い出す度にニヤけてしまう。

『451』配信直後もn-bunaさんがボーカルという“衝撃”は受けたが、ライブでは爆弾級の“笑撃”だった。個人的にはこれがハイライトで良い意味で「思ってたんと違う!🤣」

演出?アドリブ??

村井さんの手先や動きをいろいろ観察している中でコミカルなシーンがたくさんあった。

特に面白かったのが、平畑さんの肩に腕を置いて喋っていたというもの。アドリブなのか元々なのかどうかはわからないが、なんとなく平畑さんがニヤけてたのが印象的で「チームヨルシカ」が楽しんでやってるのが伝わる。

『いさな』の演出

『いさな』という『幻燈』でしか聴けない曲ではライトがsuisさんのサイドを囲うように水色のライトが当たっていた。

それにスモークの演出が重なって水のように見えて、なかなか凝ってんなぁ、と思って感銘を受けた。

その上、他の曲以上に優しく歌うsuisさんの表現力にも圧倒された。

クライマックス

そうして、画家を翻弄して、取り巻く「踊る動物」たちの物語はクライマックス。『左右盲』『アルジャーノン』で〆。『アルジャーノン』のときには満天の星空のライトが彩った。

最後には『幻燈』の絵たちが展示。このストーリーで「画家」が書き上げて個展に出して、盛況を収めたということで結末に近づく。そして、ふと我に帰った画家が

本当に踊ってたのか

という言葉とピアノソナタのメロディで物語は終幕。

終演後。あの絵がずらり。

中央に立つ村井さんの両サイドには上手にn-bunaさん、下手にsuisさんが立った。シルエットの状態で2人が一礼して捌けた。続けて、村井さんも…

笑いあり、涙あり

今回のライブを一言で言えば

笑いあり、涙あり

舞台のような「ヨルシカ」ライブ。suisさん、n-bunaさん、サポート4人はいつも本気で楽しませている。この6人も楽しそう。

今回ばかりは村井さん含めた3人の俳優が加わった。n-bunaさんでは表現しきれない「動き」を始め、バージョンアップが図られている。

そんな感じで楽しいひとときだった。でもやっぱり、1日では覚えきれないし、物足りない。2日買っときゃ良かったと軽く後悔した。

それでも

これだからヨルシカ大好きやねん

と心の底から思えた。

451みたいな(?)特急で余韻。

帰りの京阪特急では今宵出てきた曲を中心にチョイス。雨上がりで、ちょうど月夜になっていてちょうど良かった。

赤い「プレミアムカー 」
月のような金色に半円デザイン。
あれ?どこに月見えてたっけ?

よく見ると「8000系」という“赤い特急”は『451』のような燃えたぎる色合い。そして、座席指定車「プレミアムカー 」は月っぽいデザインがちらほら。

「suisさんみたい」と個人的に評する“青い特急”「3000系」とは対のような雰囲気でどちらが当たっても「ヨルシカっぽい」と思える。

ストリートミュージシャンの投げ銭のような感覚でお気軽にどうぞ。