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硬券ブームとプチ思い出

NHK「おはよう日本」で特集された「硬券ブーム」。ブームと言われても僕を含めファンにとってはお馴染みだろうし、開業の節目などの記念品として、大手から中小、第三セクターまでよく販売されていて、発売初日に行列をつくるなんてこともよくある。

記念品としてだけでなく、伊豆箱根鉄道(通称いずっぱこ)ではJRから乗り入れる特急「踊り子」の自社線内の座席未指定券※をあえて硬券で採用した。新型車導入による座席システムがリニューアルされたことに伴うものとのことだが、初期投資のコストを抑えるため、また、伊豆旅行の思い出にと採用するに至った。

※「踊り子」の他、「あずさ」「かいじ」「ひたち」「ときわ」「スワローあかぎ」など一部の全席指定の特急では空いている席に座れる未指定券というのが発売されている。

ブームを通り越して、原点回帰したり、比較的、採用例もあるほど、「硬券の灯」は消えることを知らない。
僕は硬券を収集しているわけではないが、一度だけ硬券に出会い、珍しいことに出会った思い出がある。

京都でも

「いずっぱこ」以外でも硬券を日常的に採用しているのが、京都の叡山電車(通称えいでん)だ。ICカードが使えるなど比較的先進的な設備を導入しているが、実は出町柳駅の入場券が硬券を採用している。
大学のラジオのサークルで作ったフリーペーパーを売り込むために一乗寺と清水五条へ行き、先輩と別れたのち、出町柳駅で少し列車を撮ることにした。
入るために入場券を一枚買ったところ、細長い硬券が登場、「パチっ」と特徴的な鋏で穴を入れてもらい、駅で小一時間列車を撮った。

よく見ると

これをよく見ると、1の位と千の位が同じ数字、つまり、「両想いきっぷ」になっているではないか!
高校時代、幾度となくSNSで目にしてきたが、硬券の「両想いきっぷ」はスーパーレアなのではないだろうか。ただでさえ、レアな硬券でテンション上がった上に、このきっぷで2度も嬉しかった。

僕が硬券買ったのはこれ一度っきりですが、磁気の切符からICカード、場合によってはスマホで乗ることの多い現代だと、こういうのは注目されますし、記念の品がこれだと、ファンが集まって、小さな鉄道だと、良い収入になったりするほどです。
硬券に限らず、使い捨てカメラ「写ルンです」、レコードなど古いものに新鮮さを覚えて、ハマる若者が多いと聞きます。前々からあったといえ、その流れに乗ったことではないでしょうか。
そうは言っても、今やきっぷは硬券から磁気→プリペイド→ICカード、さらにはQRコードがもうすぐという進化している中でも、硬券は特別な存在としてファンに認知されて、会社側もこれを特別なタイミングで売ることで集客を図ってきて、今後何十年とまた別の新たなきっぷが出現することになっても変わらないことでしょう。この懐かしさも我々の世代やこれからの世代には、新しい刺激として認知されるでしょうし、特別なときにはコレクション性のある硬券が良いことでしょう。収集しない僕がいうのもなんだが、そんな僕でも良いもんであると思うのは間違いないと思います。

ストリートミュージシャンの投げ銭のような感覚でお気軽にどうぞ。