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ゆとりーとラインに乗ってきた。

名古屋駅で人気ラーメン食べたら、今度は「ゆとりーとライン」へ乗りに行く。「ガイドウェイバス」という形態でざっくり言えば

電車かバスかはっきりせんかい!

といったところ。そんな独特な形態のバスに乗っていく。

中央線で大曽根へ

315系

名古屋から大曽根まで中央線「高蔵寺行き」に乗車する。2024年3月のダイヤ改正から普通列車は「315系」に統一。同時に最高時速も引き上げ、特急列車と同じ「130㎞/h」となる。東海道線を凌ぎ、「関西の新快速」に並ぶ「韋駄天普通列車」が誕生する。

大曽根駅

大曽根駅
向こうの高架が「ゆとりーとライン」

大曽根駅にやってきた。長い通路を通って、改札出てすぐのところに「ゆとりーとライン」の駅舎がある。

電車?

地下鉄のような出入り口

名古屋市営地下鉄に似たデザインで、なぜか「電車」のアイコン。

実はこのバスの専用道路は建設の際に「軌道法※」が適用。大まかに鉄道の仲間として扱われている。細かく言えば「モノレール」「ゆりかもめ」「ニュートラム」などの「新交通システム」だ。

※路面電車を敷設に際する法律。路面電車に限らず、道路の真上を走る「モノレール」や真下を走る地下鉄(大阪メトロなど)にも適用されている。一般の鉄道は「鉄道事業法」が適用される。

駅舎

そのままホームへ入る。

改札はシンプル。車内の運賃箱orICカードリーダーで精算する。ちなみに「ICOCA」「Suica」など10のICカードも利用可能だ。

行き先に応じて2レーンで整列乗車
巨大な「ミニ四駆」のよう。

階段を登り、ホームへ。線路の代わり、側面に「ガイドレール」が付いている。「ミニ四駆」と同じ原理だ。

バスが来た

折り返しのバスがやって来た。乗客を全員降ろした後、ループして、乗車ホームにやってくる。

「GB-2110形」ガイドウェイバス

バスは「GB-2110形」。「日野ブルーリボンシティ・ハイブリッド」をカスタムしている。今どきはノンステップがほとんど。だが、特殊な構造でステップ付きが占めている。それを補うために車椅子リフトが付いている。

沿線

バスが発車。バスながら、風景は電車か高速道路を走ってるよう。

右手に「バンテリンドーム」
ナゴヤドーム前矢田駅
「ドーム前矢田」だと紛らわしいか。

大曽根の次の駅「ナゴヤドーム前矢田」。「バンテリンドーム」の最寄り駅だ。「ネーミングライツ」によって「ナゴヤドーム」とは呼ばれなくなったが、地下鉄ともども駅名は旧名のままになっている。

ビル群を縫うように走る
守山駅
関西人が二度見する駅名。滋賀県民は五度見はするなぁ。

守山駅。滋賀県にあるJRの駅といわば「同姓同名」。所在地である「名古屋市守山区」から取られた。ちなみに、近隣には「JR新守山駅」があるが、こちらの方が新しい。

聴き慣れた喚呼

制限速度の数字は「THE鉄道」

バスに揺られていると運転士のインカム越しに鉄道で聴き慣れたいろんなワードが聴こえる。

駅進入よし
制限50
制限解除

鉄道ファンの耳にはかなり至福だ。鉄道なら声を張り上げるところ、インカムはささやき感がある。これで寝れたらサイコーだろう。でも、降り過ごしたら最悪だ。

緑が多い郊外

小幡緑地駅

小幡緑地駅
市バス「小幡緑地」バス停
上飯田駅や新守山駅など都心外縁部へ向かう。
中心部はゆとりーとラインが独占してる模様。

小幡緑地おばたりょくち駅で降りた。「ガイドウェイ区間」の終点で、ここから一般道に降りる。バスはこの先、志段味しだみなどの鉄道空白地帯を通り、最長で「高蔵寺駅」まで向かう。

ガイドウェイバスのIC

ガイドウェイバスのインターチェンジ。
門には「白いバス」
非営業用の事業用車で物置きとして使用されてるよう。

駅から歩いてやって来たこの場所。「ガイドウェイバス」が「路線バス」に変化する「インターチェンジ」だ。

柵や踏切などはないが、「進入禁止」の看板があり、「一般車両」「歩行者」などは入れない。

一般車乱入事件

一度だけ「一般車両」が専用道に入ってしまった事件があった。バスとの接触やドライバーのケガは幸いなかったものの、前代未聞で怖い。ただの勘違いなのか興味半分なのかは謎のままだが。

外から観察

大曽根からバスがやって来た。
スロープを駆け降りると一旦停車。

路線バスのモードにチェンジし、一般道へ右折。「志段味方面」へと向かっていった。

続いて「大曽根行き」。こちらは「ガイドウェイバス」にチェンジする。

同じく一旦停車してモードを変えると、すぐに「小幡緑地駅」へ向かっていった。

市バスがガイドウェイバスへ?

右折する「市バス」

この直後少し珍しい光景も見れた。「名古屋の市バス」がやって来た。よく見るとガイドウェイバスの方角にウィンカーを点滅。

信号が変わると、いきなり中に入って来た。
いったい何事!??

と、びっくりしていたら方向転換のみをして新守山駅へ走り去った。「市バス」の方向転換は許可されているよう。ガイドウェイバスを紹介するYouTubeでもこの光景は見なかった気がする。

中から観察

今度は「モードチェンジ」を車内から観察してみる。「小幡緑地」の隣「竜泉寺口りゅうせんじぐち」というバス停から乗っていく。

モードチェンジの前と後

「路線バスモード」の手元はハンドルで回しながら、シフトレバーなどを動かす。見慣れた光景だ。でも、声出しで喚呼は欠かせない。「鉄道員」の魂が滲み出る。ちなみに、鉄道としての免許は「無軌条電車運転免許」。「トロリーバス」に準ずる運転免許が適用されている。

バスは「インターチェンジ」に到着。一旦停止して「軌道変換」を行う。機器類のチェックやモードチェンジをすると発車。「小幡緑地駅」に着いた。

堂々の手放し運転。

「ガイドウェイバス」のときの手元は大きく変わる。左手はシフトレバーで、右手は指差しを行っている。基本的に手放しでガイドレールの噛み合わせとペダルとシフト操作で進んでいく。

丘陵を駆け降りる

名古屋市内へ向かうバスはスリルのある光景。丘陵地帯から平野に駆け降りる「軌道」はジェットコースターのよう。

守山区の自衛隊基地
「守山自衛隊前駅」が名鉄瀬戸線にある。

ドラゴンズのファミマ

右下のファミマはドラゴンズがジャック

ナゴヤドーム前矢田駅前のファミマは「中日ドラゴンズ」がジャックしている。「甲子園駅前のローソン」や「マツダスタジアム前のローソン」と同様だ。

余談だが、滋賀でも「ドラゴンズファン」はそこそこいる。高校の弓道部にも1人いたほど。地理的に近いし、CBCラジオの電波が入るし、近江高校出身の土田龍空りゅうく選手もいるし。僕にとっては意外な親近感がある。

大曽根に戻ってきた。

大曽根駅の方向転換場兼駐車場

大曽根駅に戻った。終点から進んで方向転換、と思いきや、駐車場へ「入庫」した。バック見ているとこの部分はハンドルを握っていた。


世界各地にある「ガイドウェイバス」。ただ、日本ではなかなか浸透しなかった。高架構造も海外のものではなかなか見られないし、コストもすごかったそう。

最近乗ってきた「スカイレール」のように維持困難になる可能性はありそう。ただ、「クルマ社会・愛知」という環境では必要とされ続けるかもしれない。なかったらなかったでむしろ大変かも。

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