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心象

遡る事のできる一番古い記憶
自分の内や外を見つめている眼差し
幼き日々、その眼に映った様々な光景
音、空気、季節、そして人
言葉が生まれる前から
すでに何かを見つめ
耳を傾け続けていた
ただ無心に
そこに息づく意識、その記憶

この世に生を受けた最初の瞬間
私は何を見ていたのだろう
いつから喜びや不安、悲しみ、怒りなどを感じるようになったのだろう
周囲の人々の表情、行動
そこに心を読み取るようになったのは
いつからなのだろう
目に映る景色や色彩の変化につれて心象も変わってゆく
それはなぜだろう

そこに流れていた音楽
その旋律と響きの移ろいに心が誘われたのはなぜだろう
華やかな曲に、鮮やかな色彩と躍動を
哀しみや暗さ・重さを感じさせる曲に、胸は締め付けられた
けれども、どうしようもなく惹かれたのはなぜだろう
生まれてわずか数年の幼い心なのに
私はその時ひたすら
世界に向かって目を向け
耳を傾け続けていた

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