7.身体との対話についての補足

これまで意識を自覚的に用いて身体と対話する。というテーマで記してまいりました。最後に確認と補足を記して、このテーマは今回で一区切りとします。

意識の二つの状態
1.意識が無自覚な状態で働いている。いわゆる自動制御運転状態。
  (自転車や自動車運転時の意識状態)
2.意識を自覚的に用いる。意識を傾ける。

意識を自覚的に用いること
1.     ある特定のポイントに意識を傾ける
2.     そのポイントが何かを語り掛けてくるのを待つ
3.     そこに生じる感覚を味わう

何らかの課題に用いるピンポイントの集中。心を静め、集中して意識を傾け、そこで何かが語り掛けてくるのを待つその集中は、おそらく平均1分以内、長くても2分を越えることは無いと思います。
もちろんそこで気づいた問題は、すぐに解決できる場合もありますし、模索・試行錯誤・トレーニングで、それなりに時間が掛かる場合もあります。しかし意識の集中によって向かうべき方向が見いだせているのなら、結局それが一番の近道です。

課題や、心の引っかかりに気づき、それを今解決すべきサインとして受け止め、すぐに集中して意識を傾けられるようになると、解決のスピードは速くなります。

それから注意点なのですが、「いつかできるようになりたい。」という願いは、かつて初心者だった頃、自分を突き動かしたエネルギーだったとしても、ある程度以上の技術が身についてきたなら、逆にその言葉は、今やるべきことを「いつか…」という言葉でごまかす恐れがあると知っておく必要があります。


さて次回からの記事は本マガジンのメインであり、自分自身のためにも記しておきたいと考えているものです。

ここで一つ私の経験を記しておきます。
以前、ある方の演奏を聴いてとても深く心を動かされた曲があって、その楽譜を手に入れて演奏し、録音して聴いてみたのですが、わたしの心の流れはかたちになっておらず、ただ音が出ているだけの中身のない演奏でした。
多くの方はそのような経験をお持ちなのではないかと思います。
曲を演奏できたとしても、心は満たされない…
そのような状態をどのようにすれば脱却できるのでしょう?

その解決のための個人的取り組みを、これから記そうと考えております。

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