救命救急センター

私は今、救命救急センターにいる。3次救急をしている場所。いわゆる、去年映画にもなった「コードブルー」の場所にいる。

救命救急センターは、勝手に異動させられた。「嫌です。」って言っても聞き入れてくれなかった。ただ自分で希望しない限り行かない場所だし、夜勤明けで異動の話されたから全く頭が働いてないせいで「はい」と返事をしてしまった。


医療ドラマが好きでコードブルーは見ていたのでそのイメージで行くと全く違った。


HOT LINEと呼ばれる、直接救急車から連絡がくるものがある。それは重症度が高く外来を通すことなくすぐに診察を受けるというもの。この音はめちゃくちゃ小さかった。そして、あんなにドラマで焦っていたがそんなこともなく冷静。

「HOT LINEなったから準備して〜」という、見慣れない側としてはこんななのかと拍子抜けしたくらい。

救命救急センターにいて、もう1年が経った。この1年間は本当に辛かった。慣れない環境、常になるモニターやポンプのアラーム。不穏で起き上がり点滴ルートや人工呼吸器を繋げてる挿管チューブが引っ張られ今にも抜けそうになる。採血や血ガスで評価し点滴の流量を微量で変える。0.1ml単位で変えるので間違えたらそれこそ命取り。


緊張感の中で働いてるので、動いてなくてもただただ疲れる毎日であった。


救命救急センターに来る患者は、なんでも来る。内科でも外科でも小児科、産科などとりあえず重症、重体であれば来る。本当に最後の砦と言われる場所である。

私はそれまで癌患者を、多く見ていた。生きたくても時間が限られてる人たち。

でも今救命救急センターにいて、癌って意外と優しい病気なのかもしれないと思った。それと同時に一瞬で、1人の人間の命が尽きることも感じた。

ついこの間起こったこの交通事故。交通事故で運ばれて来る人は多い。

ある日、突然…

私の病棟にもそういうことを言う家族は当たり前にいる。むしろ、現状をしっかり認識出来ているのほうがある意味怖い。

意識のない患者に寄り添う家族。

「なんで、突然…。どうして…」

っていう悲しむ姿をただ見つめる。ここで泣いてはいけないし、感情輸入してはいけないのだ。それが、看護師なのだ。

その姿を見つめ、

これが自分の家族、大切な人だったら。私はどうしていたのだろう。

と思いながら家族に声をかけていた。一瞬にして生活や未来を変えてしまう現場にいる。

そんな現場で働いているけど、もう無理かもしれないと言われてた人が元気になる姿を見るのはやはり嬉しいものだ。改めて、医療のすごさを感じる。


今日で平成が終わる。そして令和がくる。

交通事故だけではない、一瞬にして運命を変えてしまう病気。そんななかでたくさん色んな運命を見てきた。

他人事ではない。明日は我が身なのである。だからこそ、「今」という日々を大切にしてほしい。


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