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オライリーの Designing Voice User Interfaces を読んでいる(3章)

前回次も第2章と書いたがよく読んでみたらあまり開発する上で関係ないことが多かったので今回は第3章に入る。音声アシスタントのパーソナリティについて。

"性格の無い音声インターフェースはない" by COHEN, GIANGOLA, AND BALOGH, 2004

とあるように、音声アシスタントに性格を持たせることは重要だ。

入力するのも出力するのも人間が使っている声で行うため、どういった印象を持ってもらえるかというのは大事。そのためには音声アシスタントのペルソナをしっかりと決める必要がある。

「Voice User Interface Design」という本ではペルソナについて以下のように説明されている。

“Persona” is defined as the role that we assume to display our conscious intentions to ourselves or other people. In the world of voice user interfaces, the term “persona” is used as a rough equivalent of “character,” as in a character in a book or lm. a more satisfying tech- nical de nition of persona is the standardized mental image of a per- sonality or character that users infer from the application’s voice and language choices. for the purposes of the VUI industry, persona is a vehicle by which companies can brand a service or project a particular corporate image via speech.

音声アシスタント(もしくはその上で動くサービス)のペルソナはキャラクターと意味としてはかなり近く、自社のブランディングに役立つというようなことが書かれている。

また、個人的にはペルソナを定義しておくことでアシスタントがどういった発話をするかユーザーが予測しやすくなると思っていて、一種のコンテキストの共有にもなったりするんじゃなかろうかと考えている。

ペルソナを考える上でのとっかかりとしては以下のような問いかけをして見るといいらしい。

- アシスタントの性格において無礼さや下品さはどう扱うか?
- アシスタントは人間にするか?そもそも別の生き物にすべきか?

例はわりと発展的だが、アウトドア派かインドア派か、趣味は何か、年齢層はどれくらいかという初歩的なところから始めてもいいと思う。

特に単純なコマンドを実行するだけのアシスタントならまだしも、そうでないのならばアシスタントの声のトーンなども気をつけたほうがいいらしい。

細かい指定は全然できないが、イントネーションや喋る速さくらいならSSMLで制御することができる。

とある車に搭載された音声アシスタントの話だが、声のトーンを暗いものから明るいものに変更したところ事故の件数が減り、運転手も楽しく運転できたという報告が過去にあったらしい。

ただ、当たり前だが常に声のトーンを楽しいものにすればいいわけではなく、そのアシスタントが提供するサービス内容によって適切なトーンを考えるべきである。

例えば、ヘルスケアのサービスなどではいたずらに明るくするのではなく、ユーザーさんがリラックスして会話できるような落ち着いた中性的なトーンなども候補として挙がるだろうと紹介されている。

第3章はここまで。次は第4章と言いたいところだが、タイトルが「Speech Recognition Tecnology」とある通り音声アシスタントの技術的な部分にフォーカスがあたっていてVUI Designの話とは少しズレるので第5章の「Advanced Voice USer Interface Design」に進む。

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