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概念がわかれば、訳さなくても不安でなくなる 歴史的困難の解決

英語を読むとき、日本語に訳さないと不安だという人がいる。

そういう人は、英語を聞くのも不得意かもしれない。聞いて、それを訳そうとしても間に合わないことが多いからである。

<英語がわかるには、訳すしかないのか?>

明治以来つづくこの問題、じつは解決する方法がある。

それは、英文の意味(訳)ではなく、概念をつかむことである。概念をつかむには、他の概念との関係を理解すればよい。

たとえば、次の文があったとする。

He died yesterday.

ここでhe とは、<文の話し手からみた一人の男性>である。これで he の概念はつかめたことになる。かりに「彼」という訳語を知らなくても、he はこれでわかる。

die は、英和辞典を引いて、まず日本語で概念を理解すればよい。慣れるにつれて、訳語を思い浮かべる必要を感じなくなる。die の概念が身についたのである。

died と過去形になっているのは、話し手がいる時点よりも前に die が起こったという意識を表している。話し手がいる時点(主語がいる時点ではない)よりも前。これで「過去」の概念がつかめた。

yesterday は、話し手がいる時点(主語がいる時点ではない)の一日前をいう概念である。

読者は、ここまで、この文を日本語に訳していないことに気づいただろうか。

日本語に訳すと「わかった」気分になれるが、実はそれは日本語がわかったのであって、英語を英語としてつかむ練習とは別のことである。

<英語ができるイコール日本語に訳せること>ではない。げんに英語ネイティブは、自分の英語を日本語に訳せなくても英語を話している。

和訳にたよらず英語を身につけるには、上記のように、ひとつひとつの語を英語の体系のなかに位置づけて理解することである。

英語には、どういう種類の概念があって、互いにどういう関係にあるか。それを明らかにしたのが、私のトランス・グラマーである。

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