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4-2-1 前置詞(立解)は平気で複合する(立相)

立解(前置詞)がつくる概念のなかで、あまり説明されないが重要なのは、いくつもの立解が複合して使われるケース。

従来の文法書は、これを群前置詞とか二重前置詞とか呼んでいるが、立解(りっかい)の複合的な相(そう。側面)を表すものなので、トランス・グラマーでは、こうした複合タイプの立解を立相(りっそう)と呼ぶ。

マーク・ピーターセン氏(明治大学)は、「英語では、前置詞が複数並んでいるのは、ごく普通の言い方」と指摘し、

I moved my car away from in front of her house. (彼女の家の前に停まっていた車を移動させた)

 She pushed the television over to  across from her desk. (テレビを机の向かい側まで移動させた)

といった例をあげている(マーク・ピーターセン『続・日本人の英語』岩波新書、1990年、40ー41頁)

じっさい、as for, as of,  in between, from within のように、慣用化してよく使われる立相は、いくつもある。

今では独立の立解あつかいされている into, out of, onto, upon, なども、もとは立解を組み合わせた立相であった。

体(名詞)と複合して使うタイプの立相、たとえば by way of,  in addition to,  のようなものも入れれば、立相は相当な数にのぼる。

立相は、ひとつの立解だけでは表現できない複雑な関係が表現できるので、覚えておくとこなれた英語がつくれる。

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