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2-3-2 独体(固有名詞)は具態体の個性をとらえる(特体)

独体(固有名詞)は、対象となった具態体(構造体・反復体・分類体)の個性を体概念化したものである。

独体は大文字で書いて、それが個性をとらえた概念であることを表す。

英語は、個性を次の三種でとらえ、それぞれ特徴のある表現をとる。 

原独体(げんどくたい)  人と、それに準じるものの個性を体概念化したもの。その人がその人であるかぎり、いつでもどこでも認識できるが、その人がなくなったら二度と同じものは生まれない。それが原独体が認識する個性であり、人名はその典型である。原独体は、それじたいで常に自立している強い個性の認識なので、すべての語を大文字で表し、定態 the は不要である。  例: Barack Obama,  Shinjuku Station(新宿駅。多数の人が出入りする大衆的な場所に、人に準じる個性を認めている), Toyota Motor Corporation(トヨタ自動車。会社名は人の集まりの個性の認識なので、ほとんどが原独体), January, Wednesday, Jupiter(神名由来の月名、曜日名や天体名には、英語では人に準じる個性を認めて原独体)
 
臨独体(りんどくたい)  人と、それに準じるもののその場面での個性の種類を表す。たとえば敬称や看板は、その場面に臨んでの、対象の個性をとらえた臨独体である。臨独体はすべての語を大文字で表し、定態 the は不要である。 例:Mr Smith, Mt. Fuji,  Lake Biwa(こうした<称号類+名称>は、二語でその場面での個性をとらえており、両方を大文字にする), "Men"(男性用トイレの看板。その場面ではそれひとつだけという、一種の個性をとらえた臨独体。新聞の見出し、本のタイトルなども同じ)
 
準独体(じゅんどくたい)  ある構造的な全体(たとえば政府のような縦割り組織とか、歴史という区分のある時間とか、野球のリーグのような同種のチームの集まり)のなかで、他のものと比較して、それにしかない個性を体概念化したもの。準独体は人ではないものの、ある構造のなかでの個性が認識の対象で、<the+大文字>のかたちで表す。the が表す定態には、個相・回相・種相の三種がある[☞具態]。これに対応して、準独体にも個相体・回相体・種相体の三種がある。例:the FBI(個相体), the French Revolution(回相体)、the Giants(種相体。セ・リーグという構造のなかの、あるチームの個性を指しているが、複数の選手がいることも認識して、-s になっている)

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