2-3-1 集体(集合名詞)は人間・生物・小物の集性をとらえる(特体)
人間・生物・無生物の小物(こもの)は、ひとつひとつは独立した構造体だが、同種の構造体を集めると、個別のときとはちがう属性をもつ場合がある。
こうした「構造体の集まりに特有の属性」すなわち集性を体概念化(名詞化)した概念を、集体と呼ぼう。従来の英文法では、集体は「集合名詞」と呼ばれてきた。
集体には、次の三種類がある。
① 人集体(じんしゅうたい) 人間の集まりがもつ集性を体概念化したもの。リーダーがいて、独立性のある組織 a family、リーダーはいても組織の一部なので独立性が限定されているもの the jury (全体のなかですでに特定されている一部なので、定態 the をつかう)、リーダーがおらず、組織性がうすいが、一定の集性はあるもの a crowd の区別がある。
② 群れ体(むれたい) 生物の集りがもつ集性を体概念化したもの。群れの特性によって、具態 a(n)/-s が使えるもの fruits、a(n)はつかえるが-s は使わないもの sheep、 a(n)も-s も使わないもの cattle の区別がある。
③ 小物体(こものたい) 無生物(多くは人が運べる程度の、有用な小物)を心のなかで集めたときの集性を体概念化したもの。小物体(こものたい)の集性とは、それらを人間が使うときに発揮される機能のことである。小物体は、抽象的な機能の認識なので、具態 a(n)/-s はつかわない。例:furniture, camping gear
このように英語では、人間、生物、無生物が集合したときに発揮される独特の属性(集性)を、それぞれ集体として扱い、集性の特徴によって扱い方を変えている。
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