コロン:とセミコロン; 使い分けのコツ
コロン : とセミコロン ; の違いはわかりにくいし、説明もあまり見かけないので、メモしておこう。
colon(コロン)[:]は、同じ対象について違う言い方をしたいときに使う。「すなわち」(that is, namely)に近い。
同じことを短くいいかえるだけなので、コロンのかわりにピリオドを使うことはできない。たとえば、
He lived for only one thing: money.
これを
He lived for only one thing. Money.
では意味をなさない。
同様の原則で、次のような用例も理解できる。
Mary: I failed in the exam.
Bob: Sorry to hear that. (セリフの前)
Ladies and gentlemen: (あいさつの冒頭)
Dear Sirs: (手紙の冒頭)
他に
The clock showed 8:15 AM. (時間と分。「八時なのだが、詳しくいうとその15分」)
semicolon(セミコロン)[;]は、あることを言ったあと、別のことについて、「それに対してこちらは…」と、対比するときにつかう。
セミコロンは、互いに独立した内容をつなげるものなので、ピリオドにして、別の文にすることもできる。
She liked him; he was kind to her; he was rich. (この;をピリオドにしても、意味は通じる)
セミコロンに独自の用法は、consequently, furthemore, nevertheless, however, also, besides, moreover, otherwise, hence, then, thus のような語の前に置いて、前後を切断しつつ接続する書き方である。
He graduated; however, he was unable to get any job.
要するに、: は「すなわち」(=)、;は「ところが」(⇔)と覚えておくといい。コロンのほうが使用頻度が高く、セミコロンはそうしょっちゅう使われるわけではないことも、覚えておくと役立つだろう。
なお、タイピングでは、コロンもセミコロンも、その後を 1スペースあける決まりになっている。
(参考文献・原田敬一『英語句読法の知識と使い方』南雲堂、1985年、41-48頁)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?