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英語への通路をふさぐ二つの障害 その1

日本人の英語。

努力のわりに成果が上がらないといわれるが、そうだとすれば、原因は二つあると思う。

いずれも、おそらく多くの人は気づいていない。私自身、長いあいだまったく気づかなかった。

日本人が英語ができない第一の原因は、ローマ字である。

われわれが小学校で習うローマ字は、日本人がアルファベットになじみ、外国人が日本語を読み書きするための補助手段として明治時代に創作された文字の体系で、これは日本語の一部である。他方、英語のアルファベットは、当然のことながら英語を読み書きするための文字で、つづりの原理も発音もローマ字とはちがうものである。

ところが、英語を記すアルファベットは、小学校で習ったローマ字と同じ文字で記される。そのため、われわれはついつい、英語を日本語読みしてしまう。

このことの弊害は、多くの人が思っているより、ずっと大きい。

発音など通じればいいという人がいるが、とんでもない。日本語を10年習ったという人が奇妙な発音をしていたら、あなたはその人の教養を多少とも疑わないだろうか。

英語をやるなら、英語の音を発して、自分の身体で英語を体験しなければ意味がない。

それができないということは、水に入らないで水泳を習った気分になっているのと同じである。一種のニセモノ、マガイモノをつかまされているのである。


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