無題のプレゼンテーション-10

日本のサーフ史からコミュニティや地域の見えない資産を考えた

今回、千葉県・太東のロングボードのポイントに家族で訪れた。夫婦で交代しながら入水。妻が海に行っている間に、子どもを抱きながら、フラッと入店したサーフショップ。

そのお店のご主人に色々とお気遣いいただき、世間話をしていく中で、とっても面白い日本のサーフィン史などの話を伺い、勝手にコミュニティや地域の見えない資産について考えました。旅はこういうことが起きるのがたまらない。

ふとサーフショップのご主人から

「ご存知かわからないけど、エンドレスサマーという映画があってね。そこに、ここのポイントがちらっと映っているんだよ」

という一言から、色々な話を展開していただきました。

日本サーフィンのはじまりはクラブ(コミュニティ)

そのポイントは、昔は漁港がなくて、うねりが延々と入ってきて、いまとは比べ物にならないくらいロングライドができるポイントだったそうです。で、外房の国道を南下して、車を走らせると、そのうねりが遠目からもきれいに見えたそう。

そして、そんなポイントで、当時の駐日米兵たちがサーフィンを楽しんでいた様子を地元のイケている若者たちが見ていて、サーフィン文化が始まったそうです。

そんな流れが、関東だとこのポイントと湘南で、加山雄三さんやマイク眞木さんと行った世代(いわゆる日本サーフィン史の第一世代)が盛り上げていったんだよと。

サーフィン(のコミュニティ)はクラブから始まったんだ」と、そして、手元で現存する一番古い写真だよと見せていただいた写真。カラフルな何本ものロングボードを背にしたサーファーが映っていて、伺うとご主人のお父さま世代(日本のサーフィン史第一世代で、レジェンドがたくさん)が立ち上げたクラブの集合写真でした。

好奇心旺盛な第一世代の方々のそれぞれがサーフィンが面白い!という熱量をもとに、サーフィンをするためにクラブが立ち上がり1965年には日本サーフィン連盟が立ち上がり、様々な大会が開かれるようになった。その流れの中で、サーフショップもできるようになった。とのことでした。

コミュニティの立ち上がりと地域特性という見えない資産

1965年当時、サーフィンはよくわからないスポーツのうちの一つだったと思います。いや、2020年の東京オリンピックでこそ、オリンピック種目になったものの、当時はスポーツという認識すらされていなかったかもしれない。だけども、「好奇心旺盛」な方々の「面白い」という理由、熱でいろんな人が集まり、活動が始まった

今では、その地域は、日本で有数のサーフコミュニティの地になっているそうです。全国からサーフィンの技を磨きに集まるポイントがあり、少子化のこの時代に周辺の小学校の学生数は増加しているという話もあるそうです。本格的にサーフィンを子どもにやらせてあげることができる環境があるからです。(砂浜の井戸端会議がお子さんの大会ツアーのスケジュールだったりするそうです!)

こんな話を聞きながら、コミュニティの立ち上がりの時の「好奇心」や「面白がる」気持ち、そこからくる熱量の大切さを感じました。そして、脈々とそれが繋がった結果生み出した、人を引き寄せる地域の特性という見えない資産の形成につながる(これは今後の日本の地域の運営にもとてもヒントになりそうですよね)、なんてことを考えてしまいました。

ご主人との話はこれからのサーフィンの話や、子どもとの海の楽しみ方といった話までおよびました。少しだけメモ。

【おまけ:その1】人工波の機械の登場とこれからのサーフィン

2020年の東京オリンピックのサーフィンは、自然の波でやる最後のオリンピックになるかもしれない。今後は、いつも一定の波を作ることができる人工波の機械で競技をするようになる。そして、競技の特色としても、体操のような競技になるのではないか

もちろん、自然波でのサーフィン自体や大会もなくならないが、人工波によるサーフィンの登場で、位置付けや意味合いが変わってくるだろう。というとても面白い話を伺いました。デジタルと身体性、合理性と趣味性みたいな二極化していく世界観をここでも感じました。

【おまけ:その2】子どもと海の楽しみ方

わたしと妻はゆるくロングボードをやる。子どもが生まれても、機会を見つけて、子どもを交互に見ながら、入水する。妻を海に放流するとすこぶる機嫌が良くなって帰ってくるので、海には感謝しかない。

そんな話をご主人様にしたところ、子どもとの海遊びの注意ポイントを教えてくれました。長年、海のそばで、サーフィンとともに暮らされている方の言葉なので、重みあります

・家族みんなで海で遊ぶ・楽しむ姿を見せる・強制しない・怖がらせない

最初は今年は暑いねとか、子供は何歳だい?という話から、いろんな話が展開してく。こういう偶然の出会いとか、おはなしとかって、全く意図していないだけに、旅をとても面白いものにしてくれますよね。

ご主人、色々とありがとうございました!

いただいたサポートはクリエイターの支援(他のnoteへのサポート)に充てさせていただきます!クリエイティブばんざい。