天邪鬼観察学会’ @アメリカ繁栄の象徴だった“自由の女神”を打ち壊しました

◆ ついに、トランプ氏がアメリカ大統領になってしまいました。

 そもそも、アメリカは何でも鷹揚に受け入れる自由さが素晴らしい国でした。移民なども比較的簡単に受け入れるし、そんなおおらかさと自由さを国の発展の原動力にしていました。
 実は、私は、持論の“社会相対性理論”を実践している国はアメリカではなかろうかと感じていました。ものの考え方の基礎に“開かれた自由”がないと、社会相対性理論は実践できません。[#社会相対性理論]
 しかし、そんな自由さをトランプ大統領は打ち砕こうとしています。これからしばらくの間は、実に、うっとうしい世の中になってしまいそうです。[#自由]
 ということで、トランプ大統領の“了見の狭い考え方”の正反対にあるところの社会相対性理論の考え方を加筆修正して再掲載しておきたいと思います。(→ 注1)

◆ 社会相対性理論は、“ものの考え方”のスタンスです。

 簡単に言えば、“世の中に絶対的な正義や真実はなく、人々は、それぞれが、自分が正しいと信じ込んでいることを規範にして生活している”ということが大前提にあります。[#社会生活]
 自分が考えていることを、他の人もみんな同じように考えていると思ったら大間違い。私は、子どもや親しい友人に、“自分がそう考えているだけだと肝に銘じよ”と言い聞かせています。
 さもないと、社会的な軋轢が不必要に助長されて、住みにくい世の中になってしまいます。

◆ 世の中に絶対的な“真”はない。

 従来のニュートン力学で“真”だったことも、アインシュタインの相対性理論では真でなくなる。ましては、複雑怪奇な社会現象に絶対的な真が存在するはずがありません。[#絶対的な真]
 なので、私はあえて“社会相対性理論”という大げさな言い方をしていますが、そのことを意識していれば、妙に腹が立ったり、あるいは悲観したりすることもありません。
 世の中は全てが“相対的”。絶対的な力は幻想にすぎないので、物理的な力だけで牛耳ることはそもそもが不可能なことなのです。
 価値観の共有こそが大切で、価値観を共有する手段は“説得”。説得によって相手に理解してもらうしかありません。[#説得]

◆ 逆説的には、価値観を共有できない相手と喧嘩する必要はない。

 喧嘩しても無意味なのです。社会的規範そのものが違えば、喧嘩で勝負が決まっても問題解決には至りません。“一時的に”留飲を下げられるだけのこと。
 そんな場合は、お互いに干渉しないことにすればいい。それが平穏な生活のための知恵。それには、“来る者拒まず、去る者追わず”と、“達観する心のゆとり”が大切だと思います。
 “達観”は、過酷な修行で悟りの境地を会得した人などに対して使われることが多いのですが、修験者のような修行は必要ありません。社会相対性理論を理解していれば簡単です。[#達観]

◆ 最も広範囲に影響力を行使できる“パワー・ベース”は“同一力(identification)”。

 パワーベースには、“地位力・専門力・報酬力・その他”いくつかありますが、一番強くて広範に適用可能なのは“同一力(identification)”だということがわかっています。
 同一力とは、“価値を共有して生じる力”のことです。[#同一力]
 私が“ビジョン”の必要性を強調するのも、そんな背景があるから。ビジョンを共有することができればまさに、同一力が生じます。彼らは鬼に金棒の同志になることもできます。

◆ トランプ大統領が強調している“アメリカ・ファースト”は、煽りのキャッチフレーズ。

 アメリカ・ファーストは、精神レベルが低くて了見の狭い人々を煽るためのキャッチフレーズで、アメリカの歴史と伝統を補強するビジョンと言えるほどのものではありません。
 トランプ大統領は、歴史と伝統を重んじる“保守派”でもなく、単なる“煽り上手のネトウヨ”。トランプ氏の国づくりを続ければ、ただでさえ歴史の浅いアメリカは必ず廃れます。
 トランプ氏は、アメリカ繁栄の象徴だった“自由の女神像”を打ち壊わそうとしています。代わりに、自らがお得意の“節操のない男根像”でもおっ建てるつもりかも??[#自由の女神]

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●(注1)  社会相対性理論の原文は、2014.1.17のブログ 『社会相対性理論と達観力』をご覧ください。[→ http://bit.ly/2czNfe1]


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