共感工房 “マイナス金利は逆機能が大きい”

◆ ドイツの社会学者にマックス・ウェーバーという大御所がいました。

 彼は、“官僚制”についての研究に大きな貢献をしました。[ #官僚制 ]

 何しろ、分厚い本で小難しいことが連綿と書いてあるので、社会学者でもない私は充分に読みこなすことが出来ませんでした。

 私なりに要約すると、官僚制は、本来、合理性を追及した組織。規則に従い文書主義を徹底することで、効率的な事務処理をめざしたシステムなのです

 形式的であるため個人の感情や関係に支配されず、不平等なども生じにくい仕組み。


◆ そんな官僚制にも弱点があると主張したのが、ロバート・キング・マートンというアメリカの社会学者でした。

 一般に、“官僚制の逆機能”と言われている主張。[ #官僚制の逆機能 ]

 官僚制は、国民の利益を目的とし、合理的政策を行うための仕組み。でも、その官僚制自体が“目的”になってしまうと、それはデメリットになりがちだという主張。

 つまり、官僚制という手段が目的化し、本来の目的である国民の利益が損なわれる状況が“官僚制の逆機能”です。

 たとえば、文書主義や規則・形式にこだわりすぎて行政機能が果たせなかったり、セクショナリズムによって国民の利益より省庁の利益が優先されたりしてしまうのです。

 私も、マートン氏の主張に同感です。私がさまざまな行政計画を策定していて、そんな場面にいつも遭遇してしまいます。


◆ 同じように、金融行政にも逆機能が存在していたようです。

 その象徴が、“マイナス金利”というわけのわからない考え方。金融の専門家たるものが言うに事欠いて“異次元の金融緩和”などと意味不明なことを言うとは、話にならない。[ #マイナス金利の逆機能 ]

 マイナス金利は、本来、やってはいけないシステムだったということ。人知を超えたわけのわからない仕組みにすれば、いろいろな場面にわけのわからない悪影響が出てくる。

 日本は世界で1~2を争うほどの技術力・経済力を誇る国なのに、その国民の多くは生活が苦しくなっている。こんなことは、本来、あってはいけないことなのだと思います。

 つまり、円安と低賃金。これは、日本の実力から見れば、どう考えてもおかしい。


 というわけで、私は、それを“マイナス金利の逆機能”と表現しました(→ 注1)

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●(注1)  マイナス金利の逆機能については、2024.03.20のブログ『マイナス金利政策は金融詐欺と同じ』をご覧ください。[→ https://x.gd/VPuGM ]

#コラム #ブログ #天眼流 #天の邪鬼 #共感工房

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