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題... ビッグマックの価格もバカにできない

◆ 昨日、“フェイスブック”と“Quora”に“ビッグマック”の価格について投稿しました。

 こんな内容です。
~~< ビッグマックの価格の比較 [→ http://bit.ly/2lV4tcx ] >~~     ビッグマックは、スイスは700円程度でアメリカは600円程度。日本は韓国より安くて390円。   こんな値段で売っているから、日本の最低賃金は上がらないのです。一事が万事、そんな感じ。   内需関連企業の賃金がなかなか上がらないのは、結局、物価が上がるのは“悪”という発想が根強いから。日本では、物価上昇は“善”だという発想で政策を考えることが大切なのですね。
 そんな投稿をしたら、Quoraの読者から丁寧な反論が返ってきました。私としては、反論は、“待ってました”。実は、そんな反論を期待しての投稿だったのです。 [詳細については http://bit.ly/2nXqvvT をご覧ください]


◆ そこで、この際、ブログにも、飲食店業界の構造的な課題について整理しておくことにしました。

 飲食店業界には“FLコスト”という考え方があります。[ #FLコスト ]
 これは、売り上げに占める材料費(Food)と人件費(Labor)が60%を超える店は経営的に危ないという経験則。具体的な数値に多少の違いはあっても、この考え方は世界共通だと思います。
 早い話、人件費を下げるか材料費を下げるかしか儲かる店にはなりません。奥の手としては、“価格を上げる”方法もありますが、後述しますが、実はこれが一番難しい。
 今では当たり前になった“サラダバー”や“ドリンクバー”や“流れる寿司”などの、人を使わない類のサービスは、そんな事情から考え出されたのです。
 たとえば、もっと大々的にロボット化ができれば人件費は減らせると思いますが、マクドナルドのような業態ではそれも限界があります。丁寧な接客サービスが不可欠。
 つまり、店舗内のサービス要員を減らすことが難しい業態なのです。


◆ 一定の材料は不可欠なので、店を続けるには、人件費を切り詰めるしかなくなる。

 そんな店は、必然的に、最低賃金レベルの賃金しか払えない。飲食店業界(特に、ファストフード)は、店員の多くが最低賃金レベルで働いているのが現状です。
 もし、価格を2~3割でも上げられれば、もう少しゆとりのある経営もできますが、マクドナルドだけ価格を上げるというわけにはいかない
 そんなことをすれば、たちまち“ロッテリア”などの競合店に太刀打ちできなくなり、店はつぶれることになります。
 人は機械ではないから、生活ができないほど安い賃金でコキ使うわけにはいかない。要は、“人を使えば、それなりに高くつく”と達観しておくことが大切なのだと思います。
 スイスなどは、そんなスタンスで人を使っているようです。国民も、人がサービスしてくれる店で食べると高くつくと認識しているので、不要な外食は控えるのです。
 そんなこともあって、私は、常々、“政策的に最低賃金を上げる”ことが大切だと主張しています。そうなると、当然の結果として、物価は上がることにもなります。[ #最低賃金 ]


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