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題... 技術貿易立国というキーワード

◆ 通貨安政策は、発展途上国の政策です。

 発展途上国は、まずは、第一次産業などを中心に振興するもの。それが一番手っ取り早い。しかし、それでは自分達が食べていけるだけで、くらしが豊かにはならない。
 そこで、次に、何かの加工貿易をめざすようになります。自分の国には安い労働力が豊富だから、それを使って安く作って、外国に輸出すれば儲けることができる。
 発展途上国が“加工貿易”をめざすのは自然の流れだと思います。
 そして、通貨安政策は、加工貿易をめざす国にとっては効果的な政策になります。相対的に安い労働力が強調されて、その分、価格競争力は強くなります。[ #通貨安政策 ]
 発展途上国にとっては、通貨安にする政策は不可欠なのです。


◆ でも、先進国になってくれば、通貨高政策こそが大切です。

 いつまでも通貨安に甘んじていては、賃金は上がらないし、生活もそれ以上豊かにはなりません。先進国になってきたら、通貨安政策は必ずしも効果的な政策になりません。
 むしろ、通貨高政策が大切です。通貨高だと相対的な賃金は上昇します。つまり、ドルベースでの賃金は自動的に上昇することになります。[ #通貨高政策 ]
 そして、相対的な賃金が上昇すると、結果的には、“安い賃金でこき使われる”という状況から脱皮することにもつながります。
 日本の場合は、食品とか石油などの輸入品は安く手に入るようになり、くらしも豊かになってくるはずです。
 さらに、通貨が高いと、海外投資が安あがりになります。海外に工場を作る場合は、自国通貨が高い方が安上がりにすみます。


◆ 日本は先進国のはずなのに、なぜ通貨安政策に固執するのですかね。

 それは、日本の為政者たちが、日本はまだ“加工貿易立国”の国だと思い込んでいるからだと思います。加工貿易の国なら、通貨は安い方がいい。[ #加工貿易立国 ]
 でも、日本の主要な優良企業たちは、すでに、単純な加工貿易はあきらめて技術貿易にシフトしています。つまり、“消費地生産”と言われているやり方です。
 消費地やその近くに工場を建設し、資金や技術を投資するやり方。私は、こんなやり方を“技術貿易立国”と言っています。そうすれば、“貿易摩擦”の心配もない。[ #技術貿易立国 ]
 自動車や家電や半導体などの日本の優良企業たちの多くは、20年近く前から、そんなやり方を強力に推進してきました
 それができるようになるには、あらゆる関連分野の技術に磨きをかけておくことが大切になります。そして、日本の製造企業たちは、それをやってくれていたのです。
 昨日、ヒマをもてあまして、何となく、“技術貿易立国”とグーグルで検索したら、私の技術貿易立国の考え方のブログが上位に表示されていました。
 私の技術貿易立国という考え方が啓蒙されてきたのだと、うれしくなりました。


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