山路力也

フードジャーナリスト・ラーメン評論家。著書「トーキョーノスタルジックラーメン」他。連載「SENSE」「シティ情報Fukuoka」他。TV「郷愁の街角ラーメン」(BS-TBS)レギュラー。「作り手の顔が見える料理」を愛し「その料理が美味しい理由」を考えています。

「令和」に想う

新元号が「令和」に決まった。

 日本はおろか世界でも最も長く使われた元号である「昭和」に生まれ、人生の半分以上を「平成」に生きて、そしてこれから「令和」を生きる。一生のうちに二度も改元の時を経験し、三つの時代を生きられるという事は、何とも形容し難い想いがある。

 昭和天皇が崩御されて「平成」になった1988年、私は二十歳だったが、元号発表の瞬間を覚えていない。もちろん時の官房長官が「平成」と書

もっとみる

遠い戀の記臆

かつてとても好きだった女性と、中野の路地裏で久々の再会。もう十年近くは会っていなかっただろうか。端正な顔立ちこそあの頃の面影を残しているものの、十年の月日は残酷なもので、やはり僕の知っている彼女とは程遠いものだった。

 会わなくなって暫く経った頃、彼女を知る友人たちの多くは「彼女は変わってしまったよ」と哀しい顔をして僕に呟いた。中には「会わない方がいいよ」とまで言う人もいた。大切で美しい想い出

もっとみる

リアルとリアルの狭間

SNSにどっぷりと浸かっている。twitter、Facebook、Instagramなど数分置きにチェックしている。IPhoneとMacBook Airを駆使して、SNSをチェックする合間に仕事をしているような状況だ。起きてる時間の大半をSNSに費やしている。依存症と言っても良いかも知れない。

 世の中にSNS依存症の人はある一定数いるだろうが、おそらく他の人たちと私とでは使い方がやや違うのでは

もっとみる

美味しさの理由

別段、その店が目的でその街に降り立った訳では無かった。その街で友人が営む飲食店で会食があり、待ち合わせに遅れてはいけないと早めに家を出たら、予想以上に道が空いていて、一時間以上も早く着いてしまったのだ。

 さてどこで時間を潰そうかと、街をウロウロしている時に一軒のラーメン店を見つけた。正直、看板や店先のポスターなどを見ても、あまりというか全くそそられない。普通であれば間違いなく素通りする佇まいだ

もっとみる

冷やし中華が嫌いだ

私は冷やし中華が嫌いだ。夏の風物詩として必ずといっていいほど名前が挙がる食べ物だが、街の中華屋さんなどで「冷やし中華はじめました」の文字をみるたびに憂鬱になる。

 冷やし中華はじめなくて良い、と思う。あるいは始めても良いけれど、私の知らないところでひっそりと始めてくれ、と思う。そして私の知らないところで早く終わってくれと願う。何ならそのまま永遠に終わってしまってくれて良いとも思う。

 「な

もっとみる