見出し画像

【シブヤノコレカラ#6】渋谷にユースクリニックを設置したい!

森田ゆきが社会課題と向き合い、渋谷の街ではどんな解決方法が考えられるか、ゲストと共にトークする「シブヤノコレカラ」。月に2回、土曜の朝にインスタライブで配信しています。
今回のテーマは「渋谷にユースクリニックを設置したい!」。森田ゆきとともに活動するお二方をゲストにお招きしました。

ゲスト
龍円あいり(東京都議会議員。渋谷区選出)
稲葉可奈子(医師・医学博士・産婦人科専門医。みんパピ! みんなで知ろうHPVプロジェクト代表。

若者に特化した相談~医療行為まで可能な機関

――まず、ユースクリニックとは何かについて教えてください。

龍円議員(以下、龍円):スウェーデン発祥の公的な医療機関です。13歳から25歳までを対象としており、親にも学校にも秘密で利用することができます。内容も性や人間関係に関する悩み相談だけでなく、実際の医療行為まで幅広い。医者、看護師、助産師、カウンセラーなどが勤務しています。スウェーデンの人口は東京都とほぼ同じ。そこに250カ所あるので、とても身近な存在として受け止められています。

一方、日本では子どもが相談できる場所さえ見つけにくい状況です。子ども自身がインターネットで調べ、偏った情報の中で危険な目にあってしまうこともあります。日本にもユースクリニックをつくろうと、私も都議会の中で訴えてきました。

――ユースクリニックについて医療側ではどのように捉えていますか?

稲葉先生(以下、稲葉):スウェーデンの事例は本当に理想形だと思います。東京都なら高校生までは無料で病院にかかることができますが、実際は保険証を親が管理していたり、子どもの手元にあっても受診すれば親にばれるのではと、受診を躊躇することも多いのでは。学校に相談窓口がある場合も同様です。第三者機関としてユースクリニックのような場所が必要だと考えています。

――森田議員の政策での位置づけは?

森田:ユースクリニック設立は、次の4年間に最も力をいれたい政策の一つです。選挙活動に参加してくれている18歳の若者も強く実現を希望しています。他の世代からの支持も厚いですね。

東京都で実証実験がスタート

――実際にどのような活動をされていますか?

森田:龍円議員との活動が実り、昨年実証実験を行うことができました。活動を続けてきて、賛同者が増えているのを感じます。

龍円:ユースクリニックについては小池都知事も強く賛同してくださっています。昨年の実証実験は公的機関がユースクリニックをつくるという全国初の試みです。電話・メール相談の受付のほか、渋谷・新宿・立川・八王子を巡回し、リアルに相談できる場も設けました。ニーズがつかめたので、2023年秋の常設を目指しているところです。

――実証実験での課題は?

龍円:活動自体が若者に知られていないことです。その課題解決として、人が集まる渋谷につくることに意義があると感じています。

稲葉:相談ができる場所ができたことは前進ですが、医療行為まで範囲が広がるといいですね。相談にのるだけでは解決できないことがたくさんあります

HPVワクチンの正しい知識を広めたい

――稲葉さんはHPV(子宮頸がん)ワクチンの啓発活動も活発にされていますね。

稲葉:HPVワクチンは通常は、小学校6年生から高校1年生までの女子なら無料で接種することができます。(1997年から2005年度生まれの方は通知が届かなかったために、今なら無料で受けられる“キャッチアップ接種”が行われています。)ところが情報が正しく伝わっていないために、日本は世界的に見ても接種率が低い状況にあり、「みんパピ!」という団体を設立して、啓発活動を行っています。

――京王井の頭線渋谷駅構内でのポスター掲示が話題になっていますね。

稲葉:4月9日は子宮の日なんです。それにちなんで、「#知るというがん予防」と「#TalkCancertoSaveUs」をテーマにしたポスターを掲出しました。4月10日にはポスターに出演してくださった宮地真緒さんが所属する芸能事務所Andmoの俳優さんたちがステッカーを配布する予定です。

――HPVワクチンについては森田議員も大切さを訴えられていますね。

森田:子宮頸がんはHPVワクチンで予防できます。そして、ヒトパピローマウイルスは人に感染するウイルスです。これらのことを多くの人に知ってほしいです。なぜワクチン接種をしないのか、アンケートをとったところ、約6割の方がより効果の高い9価HPVワクチンの定期接種化(2023年4月より実施)を待っているとのことでした。ここから接種が広まってほしいですね。

若者のためのユースケアを実現させよう

――最後に龍円議員からも一言お願いします。

龍円:ユースクリニックは医療行為や感染症検査ができるところまで実現させていきたいです。まずは東京に設置されれば全国に広まっていくのではないでしょうか。設立にあたっては、若者当事者の意見も積極的に聞いていくつもりです。そういう意味でも、今後も森田議員と一緒に力を尽くしていきたいと思います。また、稲葉さんのような有識者とも今後も連携を続けていきます。

ユースケアについてより深く知りたい方は、ガイドラインがWEBで公開されています。WHOが定めたユースフレンドリーサービスの実際が分かりやすく記載されているので、ぜひチェックしてみてください。

――森田議員からも一言どうぞ。

森田:健康課題の解決はメインの政策の一つです。民間と行政が速やかに連携できる体制の提案を行っていきたいと思います。

過去のライブのレポートはこちらからご覧いただけます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?