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神戸のフェス、「MUSIC ZOO WORLD」に行きました。


芸人仲間で音楽好きはたくさんいます。

後輩の翠星チークダンス木佐もその一人。
彼に誘われて、神戸・ワールド記念ホールにて開催された、「MUSIC ZOO WORLD」というフェスに参戦してきました。


このフェス、通称「ズーワル」は、神戸のライブハウス「太陽と虎」の設立12周年を記念するイベント。

ライブハウスと深い関わりのあるアーティストが、一堂に会するお祝い的なフェスで、11/5~6の土日二日間開催され、僕たちは2日目に行って来ました。


木佐の仕事の都合で、昼14時過ぎに三宮に集合。そこからポートライナーに乗り換えて、ワールド記念ホールに向かいました。



翠星チークダンス木佐という男は、芸人界随一のお笑いマニア。
普段から、東西のあらゆるお笑いライブの配信を買って観るなど、お笑いの知識が半端ないです。


この日も合流してすぐ僕が、出演する中で知らないバンドについて質問すると、

「そうですね。まあキャラとか芸風的に、バッテリィズ(僕と同期)さんみたいな感じですかね。」

と芸人に例えるなど、持ち前のお笑い大好きっぷりを見せつけていました。

翠星チークダンス木佐。


木佐とは3年前にも、毎年年末に開かれる「RADIO CRAZY」に参加したことがあります。

「レディクレ」は、大阪のラジオ局FM802主催の、関西のロック好きにとっての年末の風物詩と言っても過言ではないフェス。
邦ロック好きな木佐と、大学の同級生的なノリで、インテックス大阪を走り回りました。

僕が仕事の都合で、一番楽しみだったGLAYの途中で抜けたのも懐かしい思い出。
最後まで観たいという『誘惑』に負けずに、『口唇』を噛みしめながら、会場を後にしたことを覚えています。

2019年のレディクレ。



今回の会場のワールド記念ホールは、だいたい大阪城ホールと同じ規模。
ホールをホールで例えてしまってすみません。
スタンド席とアリーナ席があり、アリーナには椅子が並べられていて、両端に2つのステージ。そこを観客は行ったり来たりします。
僕ら2人はスタンド席だったので、会場全体の空気感を味わうことが出来て、そういった落ち着いた見方もまたいいなと思いました。

何を隠そう、大学生の時はロックキッズでした。
Dickiesのパンツを履いて、ラバーバンドを腕に着けるほどではなかったですが、京都大作戦などに参加して、10-FEETやKen Yokoyamaを敬愛する、パンク、メロコア好きでした。
ライブを観るとなれば、最前列まで行って、モッシュ(おしくらまんじゅうみたいにぶつかり合うやつ。危ない。)やダイブ(人の上に乗るやつ。危ない。)なども繰り広げていました。

今現在は、聴く音楽のジャンルが変わったのもありますが、そんなパワーは残っていないです。



会場について最初のバンドはハルカミライ
正直あまり存じ上げなかったのですが、めちゃくちゃ圧巻のパフォーマンスでした。
熱いメッセージと、メンバー全員が全力で暴れまわるプレースタイルでしたが、不思議と押しつけがましくないと言いましょうか、この人たちは根っこから熱くてまっすぐな人達なんだと、ひしひし伝わってくるライブでした。
激しくギターを搔き鳴らしたかと思えば、急に暗転ピンスポで、アカペラで熱唱するなど、観客を惹きつける見せ方も最高でした。
「音楽で抱きしめてやるよ。」
というMC中の言葉はグッときました。嘘が無かったです。

次のDizzy Sunfistもめっちゃかっこよかったです。
力強いサウンドに、女性ボーカルがうまく重なり、メロコア好きだった僕からしたら、聴いていて体が勝手に動き出すようなバンドでした。
コロナじゃなかったら、モッシュが起きていそうな、そんな感じ。

岡崎体育は今やCMなどにも出演するスター。
圧倒的にMCがお上手で、一瞬、地方のお祭りの営業かと錯覚するくらい、会場の笑いをボッカンボッカン取っていました。
ジャンルでいえばテクノやEDM的な曲が多いので、盛り上がりが半端なかったです。


フェス中、合間を見つけて、飲食店の出店で軽食を食べたり、会場周辺のグッズコーナーを見たりしました。

そこで木佐氏の解説が止まりませんでした。

「構成的に緩急があって、見せ方上手かったですね」
「最初にそれぞれの役割を説明できているので、分かりやすかったですね」
「もし賞レースがあったら、作家受け良さそうですね」

など、「え?今おれらお笑い見てた?」と錯覚してしまうような言葉の数々。
特にM-1シーズン真っただ中。解説にも熱を帯びているようでした。

いや、にしても、バンドに賞レースってなに?


会場前で。


続いて、KEYTALKフレデリックは、さすがの安定感。
2010年代、各地のフェスを盛り上げまくったフェスバンドです。
職人技ともいえるパフォーマンスで、会場の熱気を上げまくります。
「踊れ踊れ、さあさあ踊れ」「踊ってない夜を知らない」とか言われたら絶対に踊り出しますもんね。

大トリのキュウソネコカミも、今までいろんなフェスでお目にかかっていました。
また『ビビッた』は、昔出ていたお笑いのインディーズライブで、出囃子として使用されていたので、「うわ!懐かし!」と、木佐と沸き立っていました。

今回このフェスに参加したことを通して、強く響いたメッセージがあります。
ボーカルの方のMCでもあった、

「ライブハウスに来てほしい」

という言葉。
この言葉を発したのは全員ではなかったですが、ライブを主戦場とするバンドにとってはとても大事なことだと思います。

コロナによってエンタメの在り方が大きく変わりました。

リアルを感じることが出来なくなったが故のオンライン。進化と言えば進化だとも言えますし、可能性が広がったとも言えます。
地方に居ながらにして、大都市で行われるイベントに”参加”できるようになりました。メリットを感じる人、利益を得た人もたくさんいます。

しかし、得意としていることや、信条としているものは、同じ芸術の場においてもそれぞれ違います。

少々乱暴な言い方ですが、”お笑い”は、芸人よりYoutuber。”音楽”は、ライブミュージシャンよりスタジオミュージシャン。
みたいに、なんとなく勢力図が変わったのは事実としてあると思います(芸人の中でも、営業や寄席で実力を発揮するタイプと、映像コンテンツが得意なタイプと分かれたりする、などはある。そこまで細かくはここではやめときます)。

こと音楽に関して言えば、何だったらお笑いより、コロナの影響があるんじゃないかと思います。

今までフェスやライブの出演料で生計を立ててきた、いわゆるライブミュージシャン、つまり、バンドは大変だっただろうと想像します(バンドでもいろいろなタイプがあると思うので、あくまでライブ・フェス向きのバンドの場合)。

集客出来ないと言う事もありますが、何よりバンドは1人ではできません。
バンドにおいて一番必要な、「集まる」と言う事が、一番コロナと相性が悪かったと思います。

その点、スタジオミュージシャンはその影響が少なかったのではないかと思います。スタジオやパソコンで作った音源を、ネットにアップしてそこである種完結する感じ。VaundyとかAdoとかがそのイメージですね。
声という武器だけでも市民権を得られる時代に突入しましたよね(Vaundyはライブをやっているけど)。

ヒップホップもネットとの親和性が高いですよね。Soundcroudとかで作った音源を共有できますし。ラッパーもそれぞれ録れるし、バンドより集まる必要性が低いように思います(ヒップホップが特別ライブと相性が悪いという事ではない)。


少し長くなってしまいました。
結局のところ、キュウソネコカミの言う通り、やっぱりライブが一番です。
ライブというか「生」が一番です。

「映像で見れるからええわ~」
「サブスクで聴けるからええわ~」
も、わかります。

ただ一度騙されたと思って、ライブハウスに、劇場に、足を運んでください。生の音楽、生のお笑いは最高です。
その時、その場所でしか感じることのできない空気感があります。
スピーカーから流れる大音量や、芸人の熱演ぶりと周りの観客の笑い声。

今の時代からすると古臭い考えかもしれませんが、結局人間、生が一番最高です。生の感動に勝るものはありません。
そこには人を興奮させる、爆笑させるプロがあなたを待っています。
もちろん、なかなか足を運べない人にとってのオンラインはもう今や絶対的に必要不可欠なものですが、出来ることなら、ライブハウスに、劇場に足を運んでください。

なんかだいぶ熱くなってしまいましたね。
音楽のライブに行くたびに、自分のやっているお笑いと結びつけて、考えてしまう癖があります。
その時点で僕は、もう一人の木佐氏なのかもしれません。


この日は、フェス会場を後にして、その後、三宮の中華の名店、「満園」さんで舌鼓を打ってフィニッシュ。価格、味、ボリュームともに申し分なく、最高のお店でした。蒸し鶏がオススメ。

木佐氏と蒸し鶏。
満園さん。


神戸の街は全然知らないので、また開拓していけたらなと思います。
それでは。

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