山下のぼる

近づき離れて居なくなる

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「……おんなじですね」

世吹すずめ「巻さん買ってきたカーテン、綺麗ですね」 巻真紀「今日は天気悪いでしょ」 すずめ「うん。でも、どうして曇ってると天気悪いって言うんでしょうね。いいも悪いも、曇りは曇りですよね」 真紀「あー」 すずめ「わたしは、青空より曇った空の方が好きです」 真紀「……」 すずめ「じゃ、二度寝行ってきますね」 真紀「わたし、ちょっと東京行ってきます。在宅で出来る仕事が貰えそうなので」 頷くすずめ 真紀「ありがとう、すずめちゃん。わたしも、青空より曇った空が好きです」 #カルテット

    • 離れる日記05

      調停委員:人格識見の高い40歳以上70歳未満の者を、最高裁判所が任命。 そんな人格者に「一度、直接話してみたらどうか」と勧められて4ヶ月半ぶりに直接対面。相手が出やすいエリアの喫茶店を指定して待ち合わせ。花粉がすごい。ホットチャイうまい。 席で向かい合う。どちらが先に切り出すか。「こどもは?誰かに預けたの?」「今朝◯◯にでかけて16時頃にもどってくる」 こどもの様子、目や歯、習い事、春休みの予定、経済状況、口座、保険、車、賃貸、郵便物、 最優先はこどものこと。夫婦のこ

      • 離れる日記04

        二度あることは三度ある。喉元すぎれば熱さ忘れる。けど火傷の痕はのこりつづける。 1F入り口にある金属探知機やエレベーター、待合室にも慣れたもの。指定の10分前に青いベンチに到着。相手は10:00から来ているはずだ。待合室は分かれているが同じフロアにいるのだな。廊下ですれ違ったらいやだけど、髪型も服装も去年とはちがうから遠目なら気づかれないかもしれない。 源泉徴収票を持ってきてくださいと言われたのでパソコン画面上に準備。並んだ数字をみても実感がわかないし税金が多いとも少ない

        • 離れる日記03

          朝10時開始ということは9:30に霞ヶ関駅に着いておけばいいか。先日の電話で印鑑とスケジュール帳を持参くださいと言われていたので前日のうちに準備した。 霞ヶ関に着いた時に「あ、そういえばなんか封書みたいなのが届いてたけど持ってくるの忘れた」と気づく。でもまぁ受付番号があればなんとかなるだろうと手荷物検査に向かう。まるで空港のような金属探知ゲートをくぐりロビーへ。 案内表示をみたけど分からん。どこへ行けばいいんだ。受付カウンターみたいなところにいたおじさんに「10時から調停

        「……おんなじですね」

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        • Doughnuts hole
          2本

        記事

          離れる日記02

          仕事中に知らない番号から留守電が入っていた。月曜の午前10時すぎ。こんな時間にかけてくるのは不動産屋でも車のディーラーでもないはずだ。たまにNHKふれあいセンターからだったりするが… 今回は家裁からだった。留守電の声がiPhoneから漏れて、近くの同僚に聞かれるんじゃないかとすこし焦った。 家裁への申立て(郵送)してから10日。折り返しの電話がほしいという内容だった。昼休み、オフィス街を歩きながら電話をかけると「今メモできますか?」と聞かれる。 家事○部△係 29年イ×

          離れる日記02

          離れる日記01

          2つ隣の駅の郵便局に行き、東京家庭裁判所(家事訴訟事件係)に簡易書留を送った。一日でも早く提出したかったから。 霞が関の家事手続案内で「1回目はいつ頃になりますか?」とたずねたら「1月下旬になると思います」と言われた。 日が決まったら会社を休まなければ。仕事相手に迷惑をかけてしまうが、日々機嫌よく仕事を進めるためにもご勘弁を。 5 お子さんに関することで裁判所に要望があれば記入してください。 彼が、誰と、どこで、どのような生活をしたいのか、まだ幼いこともあり言葉にはで

          離れる日記01

          ソーシャルメディアは自己中心的メディア

          情報を一方的に押し付けてくるマスコミ・マスメディアとちがって、みんながフラットで平等なのがソーシャルメディアやSNS。みんな双方向でリアルタイムで仲良し!みんなにチャンス!って本当だろうか。 外野席でくだまきながらヤジをとばしてたおじさんが「俺に投げさせろ」とか騒いでど真ん中のピッチャーマウンドに登り、キャッチャーに届かないひょろひょろの球を放る。ソーシャルメディアの投稿ってだいたいそんな感じ。 おじさんの友達は豪速球が投げれるわけない、ミットに届くわけないと思っているか

          ソーシャルメディアは自己中心的メディア

          革命?一揆?乱?

          水嶋玲音「人って、価値観が合うか、器が大きいか、どっちかないときついでしょ」 巻幹生「好きなものを見て、隣を見たら彼女も同じように感じてる。 そんなのささいなこと。自分にそう言って」 早乙女真紀「こんなに面白くないもの面白いって言うなんて、面白い人だなあって。よくわかんなくて、楽しかったの」

          革命?一揆?乱?

          狼なんて怖くない🐺

          雨の日曜日。銭湯にいき、畳の休憩所でぼんやりと大相撲を眺めながら缶のハイサワーを飲み、火照った顔でぶらぶらと歩いていたら、漫画喫茶があったがいっぱいで、同じビルのコートダジュールに入った。 コートダジュール =海岸紺碧。フランス南東端部、地中海沿岸地方。気候温暖でカンヌやニースなどの保養都市がある…。うん、曇天な外に比べれば温暖で保養な感じの一室に入り、知多ハイボールをごくり。 →レッドブルハイボール→スパークリング日本酒。へたなファミレスよりも、へたな居酒屋よりも、いい

          狼なんて怖くない🐺

          ラーメン中学卒業、蕎麦高校入学

          家系ラーメンで麺かため海苔増しばかりしていた。 蕎麦屋に入ると何も考えずに天ざるを頼んでいた。 2017年。わたしは遂にあったかい蕎麦に刮目した。 揚げ、九条葱、ほんのりと柚子。ちょいと七味。 こんなにおいしいものがこの世にあるなんて。 すてたもんじゃないなー トーキヨー オブ 🗾

          ラーメン中学卒業、蕎麦高校入学

          ゴルフレッスン #4

          きょうは1月とは思えない晴天ゴルフ日和だった。 練習場→ビール→9H→ビール→日本酒→日本酒→日本酒→4H→コーラ→5H=122… 晴れてるからといって、飲みすぎたらあかんねん。

          ゴルフレッスン #4

          ちょうどいい音の量と酒の量を求めて

          軽度のアル中だし「仕事終わりの一杯」なんて言葉は私の辞書にはないから、朝でも昼でも映画館でもファミレスでも連日飲みまくっている。ほんとはずっと酔っぱらっていたいが、さすがに仕事中は理性が働いて食べログに「現在地 喫茶店」と入れる。そして1km位なら平気で歩く。 ドトールやスタバでもいいのだが、ちょっと落ち着いた雰囲気や素敵なBGMやルーチンからの逃避のために、今日もあたらしいドアを開ける。いいお店の定義は人それぞれだし、昨日の好みと今日の好みはちがうけど、椅子と机がガタガタ

          ちょうどいい音の量と酒の量を求めて

          しどいひうち

          しうち【仕打ち】① 他人に対する振る舞い。人の取り扱い方。多く悪い意味に使う。「ひどい━を受ける」 ② 俳優の舞台でのしぐさ。 ③ 京阪の歌舞伎界で,興行主の称。 しうち【仕打ち】他人に対する好ましくない△扱い方 (態度)。 「ひどい—を受ける」 大辞林と新明解の二つで調べたくなるほどの仕打ちを受けている。受け続けている。かけられたり、棄てられたり、奪われたり、投げられたり、消されたり、、、これがDVでなければ、それはVHSだ。いや、あれはβかもしれない。 わたしが望ん

          しどいひうち

          東京ビール日記 #01

          医者から診断されたわけではないが 私はアル中である。※軽度 夜だけではなく、昼も、ヘタしたら朝も、 飲める条件が揃っていれば、飲む。 天気がよくて、仕事が落ち着いていて、 酒好きの同志が横にいたりしたら 「とりあえず瓶ビール!…2本!」である。 ひとりでさくっと飲みたいときは ファミレスや牛丼屋に行けば24時間飲める。 牛肉や紅生姜のポテンシャル&ハイパワーは 水道水や薄い緑茶では受け止めきれない。 コンビニやスーパーやカクヤスで酒を買えば ちっとは安上がりなのは分か

          東京ビール日記 #01

          ゴルフレッスン #03

          ポスチャーを安定させましょう みぞおち(鳩尾)をつぶさないように 胸を張り、張りすぎず、腰を廻しましょう 腕を高く遠くに斜めへ上げて リーチの長さを活かしましょう 頭は迎えにいったらダメですよ

          ゴルフレッスン #03

          おばちゃんたちのバスダンス

          ずっと駅の近くに住んでいたので、 通学や通勤でバスを使うことはほとんどなかった。 去年引っ越した家は最寄り駅までちょっと遠いが バスがやたらと充実したエリアなので 朝晩バスに乗るようになった。 バス停にはたくさんのダンサーがいることに気づいた。 タクシーを停めるような感じで歩道から身をのりだし 今か今かとバスを待つ。左足に重心をのせて、右足を浮かせて、 少し背伸びするようなポーズで道の先をじっと眺める。 待ち焦がれる表情は、まるで恋する乙女のようだ。 そもそも バスは

          おばちゃんたちのバスダンス