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インクジェットプリンタ専用紙を使うときに気をつけたいこと

作品のポートフォリオを提出する機会があり、キレイな仕上がりの印刷にするために市販の「インクジェットプリンタ専用紙」を使おうとしたときの失敗談です。

インクジェットプリンタ専用紙

インクジェットプリンタで写真プリントをするようなときに使うと美しい仕上がりになる専用の紙で、大きさはいわゆる写真のL判サイズからA3サイズまで、光沢感や厚さなど幅広いラインナップがあります。今回は写真プリントではなかったものの、少し光沢感のある仕上がりにしたかったので、光沢紙(キャスト)タイプを選びました。

染料インクと顔料インク

これまであまり意識することなく使っていたのですが、プリンタのインクには「染料系」と「顔料系」の2種類あり、

文字印刷・ビジネス用途には「顔料系インク」写真・画像印刷には「染料系インク」

と用途によってオススメのインクがあり、機種によって「全色染料系」「全色顔料系」「顔料(黒)+染料(カラー)」とタイプが違うとのこと。最近はメーカーのホームページにも「染料」「顔料」について書かれていないこともあるようですが、我が家のキヤノンのプリンターは「顔料(黒)+染料(カラー)」のタイプでした。

「顔料対応」でも載らない顔料インクがある?!

話は戻って、インクジェットプリンタ専用紙。表には「染料&顔料対応」とあるので「まぁ、どっちでも大丈夫かぁ」と思い、まずはフツーにプリント。黒い背景の作品で黒色の部分にちょっとムラがあったので「最高品質」にして再度印刷。すると黒色のムラはおさえられたものの、他の色の発色具合が鈍りました。まぁ、そんなもんなのかなと思い、しばらく置いておきました。

しばらくして念のため乾いているかな、と思い指で触ってみたところ、黒い粉が指の先につきました。ん??フツーにプリンタしたほうは黒ムラありの失敗作だったので「最高品質」のほうも指でこすって見ると、元の下地の白が出てくる…爪でひっかくと、シャープな白い線が…

調べてみると、どうやら用紙選択が「普通紙」になっていたことで「黒」背景の部分が黒の「顔料」インクで印刷されてしまい、粒子の大きい「顔料」インクが光沢紙の内部まで浸透せず表面にくっついた状態だったことが原因のようでした。

設定は「推奨」ではなく「必須」と考える

インクジェットプリンタ専用紙の「使用方法」を改めて見てみると、

より高品位の印刷仕上がりを得るために、プリンターの印刷設定を下記を参考に行ってください。

さらに小さな文字で、

※顔料インクを使用した場合、平滑性が高い為、印刷後に画像部分を擦るとインクが付着することがございます。

と書いてありました。いやいや、そしたら「顔料対応」じゃないじゃない?!メーカーに問い合わせてみたところ「黒」の顔料インク「だけ」がダメなんだそうです…

「使用方法」の書き方だとプリンターの設定はあくまで「より高品位の印刷仕上がり」のための「推奨設定」のように見えますが、こすっても「問題ない品質の印刷仕上がり」にするための「必須設定」と考えておいたほうがよさそうです。

インクジェット専用紙を使うときはご注意ください!

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