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再版予定や今後のイベントについて

早いもので、ヨコブンプレ第二弾「横溝発表会&読書会」から、もうすぐひと月です。
会場で初売りとなりました

『映画編集者・長田千鶴子が語る
 市川崑×金田一映画の思い出』
(長田千鶴子・松本健男)

はおかげさまで初版を完売し第2版を通販中です。
11月の文学フリマ東京37での販売も予定しています。

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さて、次回イベントは2024年2月のヨコブンプレ第3弾です。
次回は東京浅草橋で『サルノベ!』です。

サルノベとは、猿や類人猿、それらに擬せられる人間や生きものが登場する作品の総称。命名は金田一耕助勉強家・木魚庵氏
ミステリーにおいては猿が重要な役割を果たす作品が非常に多く見られます。

たとえば「探偵小説の元祖」と言われる、エドガー・アラン・ポーのあの作品(一応、ネタバレ回避に作品名は伏せます)。

English: Byam Shaw's illustration for Poe's The Murders in the Rue Morgue in "Selected Tales of Mystery" (London : Sidgwick & Jackson, 1909) on the page to face p. 284 with caption "The sailor's face flushed up; he started to his feet and grasped his cudgel"

シャーロック・ホームズの事件の中でも、ちょっと毛色が違う『這う男』

The Adventure of the Creeping Man
1923 illustration in Strand Magazine by Howard Elcock

『這う男』は日本でも翻案作品が書かれました。そのうちの1本は横溝正史が手掛けたものです(『獣人』)。

もちろん乱歩もサルノベを書いてます。『恐怖王』にはゴリラ男が手下として登場。

『恐怖王』新聞広告より「ゴリラと死美人の婚礼!」の文字が踊る

横溝に話を戻すと、捕物帖では『妻恋太夫』『狒々と女』など、ジュブナイルならゴリラの身体に人間の脳を移植した『怪獣男爵』シリーズが人気。また大人向け作品では猿そのものの他、『犬神家の一族』の猿蔵『悪魔の寵児』の猿丸猿太夫、『夜光虫』のゴリラ男と、猿やゴリラに似た外見の人間が多数登場し、作品を支えています。

というわけで、次回イベント「サルノベ!」「猿」という切り口から探偵小説を楽しんでみたいと思います。

第一部は、ミステリー専門劇団回路Rさんのお力をお借りして、前記のエドガー・アラン・ポーの名作を、森鴎外が翻訳した作品(邦題『病院横町の殺人犯』)を朗読劇として上演していただきます。

名探偵の祖、シャーロック・ホームズの造形にも影響をあたえたとされる、オーギュスト・デュパン。彼が活躍する探偵小説最初の一歩にして、サルノベの金字塔を、臨場感あふれる朗読劇でお楽しみください。


なお、現在回路Rさんは、2023年10月の朗読劇『名探偵 金田一耕助 不死蝶』に向けて、お稽古の真っ最中です(本原稿執筆時)。

https://kairo-r.jimdofree.com/

「サルノベ!」の前には、ぜひ『不死蝶』の世界をご堪能ください。
(お席少なくなってるようですよ!)


そして第二部は「古本交換会」あらため「古本ドラフトお持ち帰り会」を開催。
プレイベント第二弾で導入した、ふせんを使ったドラフト方式が非常に好評だったため、今回も引き続き実施する予定です。
先着順やくじ引きではありませんので、希望の本をGET出来る確立がアップするかと思います(詳しいルールはイベント情報まとめを御覧ください)。

来年2月はぜひ浅草橋で、猿と古本から探偵小説の世界をお楽しみください。

■イベント情報まとめ(随時更新)↓

【オマケ】
『病院横町の殺人犯』のキービジュアル撮影風景。
照明3台、演者さんはスーツフル装備に皮手袋、椅子にはファーというあたたかそうな拵えですが、真夏の盛り。

ちなみにこのランプ故障で点灯せず。出番なしでした。


長いnoteにお付き合いくださりありがとうございました。


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