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大手小売の免税売上まとめてみた インバウンド需要は如何ほどか?

初noteです。昼間は、訪日外国人向けのマーケティング事業やってます。仕事柄、インバウンドについて色々調べる機会が多いのと、元々経営企画にいたので、決算資料を読むのが好きなのもあり、書いてみます。

1.そもそもインバウンドの消費市場規模ってどれくらいなの?

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A.  2018年で4兆5,189億円です。これには、宿泊費や飲食費、交通費などすべて含まれています。その内、買い物代は、1兆5,763億円です。

2.日本の小売業の市場規模ってどれくらいなの?

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A. 142兆円もあるみたいです。(2017年) これは自分も知りませんでした。インバウンドは1.4兆円なので、約1%程度ですね。ただし、小売市場規模にカーディーラーなど日本人のみ対象の業態もあるので、シェアはもう少し高いでしょう。

なんとなく肌感で規模感が分かりましたでしょうか? 全体の小売市場(買い物市場)に対して、1%~数%程度が訪日外国人のマーケットではないかと思われます。

ここで本題といきたいところですが、もう一つ補足させてください

3.免税売上とは? 外国人なら何でも免税できるんじゃないの?

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A. 免税するには、要件を満たして申告する必要があります。今回押さえて頂きたいポイントは、同一店舗で5,000円以上購入しないと免税対象ではないという点です。下記が申告できる対象物品です。

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意外と要件が厳しく、申告できるものも限られているのが良く分かりますね。

では、ようやく本題の小売業の免税売上についてです。調べてみると各社免税売上を公表していたりしていなかったり、小売業のみならず様々な事業を展開していて、セグメント別売上が開示されていなかったりと比較が難しかったので、比較できそうな5社でまとめています。

高島屋、三越伊勢丹、大丸松坂屋、阪急阪神、ドンキ、マツキヨ

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注目すべきは免税比率でして、各社5%以上を占めており(阪急阪神は非公開)、マツキヨに至っては13%と全店売上の1割以上を占める規模になっています。市場規模全体から見ると非常に大きな割合を占め始めているのが良く分かります。

さらに、各社の注力店舗別で数字を見てみましょう。

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注力店舗でみると、各社1割以上は当たり前で、ドン・キホーテの道頓堀店にいたっては、免税比率7割超です。ドンキ道頓堀店へ訪れたことがありますが、店頭陳列・POP・商品ラインナップ・店員・レジなど、通常店舗とは異なっており、インバウンドへの注力具合が肌で実感できます。

4.まとめ

如何でしたでしょうか? 2015年頃から爆買い爆買いと騒がれていて、銀座や心斎橋などで大量の買い物をしている外国人を見ていた方もいると思いますが、全社売上に占める免税売上比率はせいぜい数%、多くても1割程度というぐらいの規模感です。

一方、各社注力店舗に目をやると、7割を超える店舗もあるなど、地域や業態ごとに緻密な戦略・戦術を仕立てることでまだまだ伸びしろがあり、成長途上のマーケットかと思っています。


5.おまけ

今回免税売上についてまとめましたが、これで訪日外国人の買い物をカバーできているわけではありません。免税売上は、5,000円以上の買い物で免税申告をした場合のみにカウントされる売上です。

つまり、5,000円未満もしくは免税未申告の場合は、全て1顧客(外国人)   ≒ 日本人 として小売ではカウントされています。

この辺りまでカウントすると、もっと大きな消費が行われているはずです。


最後まで読んで頂きありがとうございました!!

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