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自分に戻るためのスイッチ。

ふとした時に思い出して、聴きたくなる音楽がある。
特定の音楽を聴きたくなる時って、メンタル的に落ち込んでるか、あるいは前を向くためか、そのどちらかの時が多い(私の場合)のだけど、このアーティストに関しては、それに当てはまらない。

rough laugh

90年代後半から2000年前後に活動していた音楽ユニット。
知ってる人ってどれくらいいるんだろう?このnoteを読んでくれている皆様の中にはいらっしゃるかしら?

軽やかなリズムとメロディに、バイオリンのクールな音色、ハモリの秀逸さ。曲によって変幻自在にイメージを変える、でも共通してどこか優しい音。出会った当時の私は、その辺にあっさりヤラれて。そこから約20年間、常にとは言わないけど何だかんだ隣にある音になった。

なんていうか、居心地のいい音なんですよ。押し付けがましくないというか、素に戻れる音。少なくとも私にとっては。

rough laughを一番聴いていたのは、高校卒業から大学にかけての頃。大学に入って、何を血迷ったか私はジャズのビッグバンドでトランペットを吹くことになって。そのバンドは学生バンドの中では結構有名で伝統もあって、歴代のメンバーにはプロのミュージシャンになっていく人もいたりするバンドで。でも、今だから、白状するけれど、私自身はジャズだけが好きなわけでも、ジャズが特別なわけでもなく、もちろんプロを目指す気なんてさらさらなく、そのバンドが鳴らす音はすごく好きだったけど、周りとの温度差に内心戸惑っていた。

あ、言い訳するわけじゃないけど、それでも一生懸命…というか、私なりの精一杯で向き合ってたんです。それこそ、講義以外の時間のほとんどをバンド関係にあてるくらいには。それでも、どんだけ頑張っても思うように上手くはならなかったし、温度差は埋まらなかった。頑張り方の方向性が違ってたんだろうなって今ならわかる。

そんな頃によく聴いていた。ある意味バンドを離れて普通の大学生に戻るスイッチみたいにしてた。立場とか関係なくただ自分が好きってだけで聴いてた音。誰に共有することもなく、自分だけで囲い込むように好きだった。

たくさんの音に出会う中で、rough laughを聴く頻度は減っていったけど、それでもふと聴きたくなる瞬間がある。それは自覚せずに、素の自分に戻りたい瞬間なのかもしれない。

昨年末から、彼らの音はサブスクでも聴けるようになっています。今でも色褪せない音。また活動再開してくれないかしら、と内心では期待している私です。

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夕陽があまりにキレイだったので。
空を見上げるのも、私のスイッチです。yohko

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