見出し画像

【プランナー必見!】パクリとオマージュの違いはピカソに聞けば全てわかる!!急げ!!

タイトルに「急げ!!」と書いたけれど、誰も何も急いでいない。

プランナーの皆様、こんにちは。日々の業務、お疲れ様です。
突然ですが、クライアントからこんな事言われた事ありませんか?

「△△企業がやっている、あのキャンペーン良かったよね。うちでも似たような事やりたいんだけど、企画してよ」

経験がある人、結構いるのではないでしょうか。
ただ、クライアント様のご意見だからといって、他がやっている企画とまったく同じことやったらただのパクリです。このようなオーダーを貰ったらパクリだと言われないように、独自の企画に練り直す必要があります。
例えば、

「クリエイティブを大きく変えれば、差別化できないか」

「季節要因を足して、クリスマスバージョンにして差別化できないか」

「商材をモジった企画タイトルにしたら、差別化できないか」

「プラットフォームを変えれば、差別化できないか」

などなど、、、、
トップクリエイター様達はどうだかしれませんが、僕のような場末の企画屋は、日々、クライアントの無茶な丸投げを「どこかで見たことがある企画」にならないように新しい切り口を頭をフル回転させて考えます。

また、企画を考える時は「過去の作品からオマージュする」といった方法論で、過去事例を参照しながら立案する事もよくやります。

パクリといわれないラインを見極めながら、あれやこれやと切り口を考えて、どうしたらオリジナルな企画が作れるか思案する。
こういった経験、皆さんもあると思うのですが、どうでしょうか?

先日、お休みを頂いてスペイン旅行に行ってきました。5泊7日の旅行だったのですが、その中の半日を使って僕はバルセロナにある「ピカソ美術館」に行きました。行く前は「スペインといったらピカソだろ」くらいの、軽いノリで行ったと思います。

ピカソ美術館には、3,000点を超える展示があるのですが、有名な作品は多くありません。ただし、展示方法は、年代順となっており、ピカソ初心者でも彼の作風がどのように変化していったか、分かりやすく展示されております。また、日本語のオーディオガイドもあり、日本人でもとても理解しやすい。

画像1

これは15才頃の時の作品

画像2

これは青の時代の作品

画像3

陶器の作品もあったり

画像4

これぞピカソって感じの作品も

そして一番ラストの展示室には、ピカソによる「ラス・メニーナス」の展示があります。「ラス・メニーナス」はディエゴ・ベラスケスにより制作された絵画で、その複雑な構成から西洋美術史において重要な絵画といわれています。それを、晩年のピカソがオマージュして書いた絵画が展示されているのです。
もととなるディエゴ・ベラスケスの作品は、こちらです。

画像5

で、これをピカソが書いたらどうなったかというと、、

画像6

!!

原型をまるでとどめていない。ただ、「ラス・メニーナス」の芯を外していない気もする。しかし、誰が見てもこの絵を書いたのがピカソだっていう事がわかる。そんな不思議な作品ではないでしょうか。

また、ピカソはこの最終的なものにたどり着くまでに連作を58作品描いているのです。ここにたどり着くまでに、色々な試行錯誤を行っています。

こんなのだったり、

画像7

こんなのだったり。

画像8

これら58作品をピカソは約1年かけて書いています。そして、その全てが、とてもかっこよく、ピカソらしい絵画なのです。

さて、彼が書いた「ラス・メニーナス」を見て「パクリ」と思った人はいないと思います。彼が描いた絵画は全て、彼の作品として存在していました。

若い頃からアカデミズム的手法を学び、青の時代やバラ色の時代を経て、キュビズムを作り戦争を経験した晩年のピカソが再構築したのがピカソ版の「ラス・メニーナス」です。それは、どうしたってパクリでなくオマージュなのです。

我々プランナーは、企画を考える時には「切り口を変える」とよく思考しますが、それだと足りないのかもしれません。
目の前の案件に対して自分色に染めきる覚悟で立ち向かう必要があるのはないのでしょうか。必要なのは自分らしいアプローチで再構築する事なのです。

案件×切り口

ではなく、

案件×自分自身

の視点で案件を捉え直す必要があるのです。

そして、天才ピカソも、最後完成させるまでに連作を58作品書いているのです。我々凡人は小手先で戦っている暇はありません。プロトタイプを大量につくりながら「自分自身らしさとはなんなんだ?」と問い続ける必要があるのです。それでやっと一つの企画が完成するのです。

天才でない僕らの「自分らしさ」とは何なのか。それは、「経験」です。自分自身がこれまで体験してきたことは誰にも真似できません。それこそ、ピカソがいくつもの時代を通過し、画のタッチを変えてきたような歴史は、僕らにだって絶対あるはずです。

そういえば、トップクリエイターたちは「沢山本を読んで、沢山映画を見ろ」とよく言っている気がします。
もしかして、彼らも天才ではなく、自身の経験を、自分らしくアウトプットしているだけなのかもしれません。いい企画を作るには沢山の経験をする必要があるのだと思います。

そう、僕らプランナーはのんびりしている暇なんてないのです。

急げ!

それでは、また今度。場末のプランナー、よしだひろしでした。


***
一個だけすいません。筆者は美術史等に明るいわけではなく、見た感想をそのまま勢いで書いてしまってます。史実として間違っている部分や、いわゆる「正しい解釈」が出来ていないかもしれません。その時は申し訳ありません、完全に僕の勉強不足です。そっと教えて頂けると嬉しいです。

読んでいただき有り難うございます。 もしサポート頂けたらとっても嬉しいですし、何かしらで皆様に還元させて頂きます。