長時間労働や不安全を誘発する歩合給

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当社では営業マンに歩合給を採用し、1日の契約件数1~4件目の場合には売上総額には10%、5~10件の場合には売上総額には15%・・・と、契約件数に応じて段階的に歩合率を設定しています。このような制度に問題はありますでしょうか?

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ご相談のような歩合給を「累進歩合制度」と呼びます。

厚労省による「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(改善基準告示)によると、このような累進歩合制度は歩合率がUPする契約件数に達するか否かで支払われる歩合額に大きな差が生じることにより長時間労働やスピード運転を誘発するとして廃止するものとされています。

5乗車目を取るために1乗車あたりの時間を短縮するためにスピードを出した
り、深夜まで粘ったりすることは容易に想定されるからです。

歩合率は同じであっても、5件目、10件目という節目に特別なインセンティブが設定されているようなケースでも同じです。

一方、4件目までは「1~4件目の売上総額×10%」、9件目までは、「1~4件目の売上総額×10% + 5~9件目の売上総額×15%」という制度は認められています。

何が違うかというと、横軸に売上総額等、縦軸に歩合給として賃金カーブを描いた場合に、前者はカーブが階段状(非連続的)であり、後者には連続性が認められます。

つまり、ある条件到達で合理的根拠なくポンと跳ね上がるような歩合給はダメだということです。

勿論、これは自動車運転者に適用される制度であり、御社の制度に直接あてはまるものではありません。

ただ、その賃金制度が長時間労働や不安全行動を誘発することが容易に想定
される仕組みなのであればこれに準じて是正もしくは改善すべきではないかと考えます。

© 2019 Yodogawa Labor Management Society

≪社会保険労務士法人 淀川労務協会≫

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ヨドロウ(社会保険労務士法人 淀川労務協会)

HRM & Consulting 大阪市淀川区 (人事労務コンサルティング&アドバイザリー&アウトソーシング)
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