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英語の発音についてのうすい感想

英語の発音について書いてみようと思う。
実践的にはカタカナ発音で十分だし、大きな声で話すことの方が重要だ。
ヤンデル先生と一緒にやっているPodcast番組『いんよう!』の中でも少し話したように、単に英語の発音のファンとして書いている。
アニメの感想を言うように、自分が抱いている英語の発音のイメージに触れてみる。

なんだかんだ言って、母音の方が難しい。
口の開いている空間が大きくて、それだけ可動範囲の広い中で正しい位置を覚えるのは、目印のないグラウンドで毎回、同じ位置に立つくらい難しい。
グラウンドの端に生えている木の見える角度とか、目印になるものはあるけれど、それでも正確に再現するには何回も反復しないといけない。
一応の目印としては、口の中の舌の感覚や、アウトプットとしての音しかない。
耳の良い人は、自分の出している音の違いを正確に聞き分けられるかもしれないが、自分はそうではない。
けれど、耳自体も慣れである。
発音を練習するうちに、最初、ネイティブっぽく聞こえていた人の発音が、ものすごく日本人の音に聞こえてくる。
英語の発音を認識する解像度が高まってくるからだと思う。
人間、知っているものしか区別できない。

一方、子音は、舌の位置がかなり限定的なのでまだ覚えやすい、原理的には。
問題は、日本語にない舌の動きや、日本語にない場所で音が響いたりすることだ。
多くの人は自転車に乗れるが、一輪車には乗れない。
同じ車輪のついた乗り物で、バランス感覚には共通点はあるが、結構乗りこなすコツが違ったりする。
一度、乗り方を覚えれば、何年かぶりに乗っても結構、乗れる。
が、下手にはなる。
発音も、英語を使わない状況では、意識して練習しないとものすごく下手になる。
この前、久しぶりにちゃんと発音してみようとして愕然とした。


さて、長い前置きは終わりにして、まずは子音の各論へ。
子音は、息のつづく限りずっと出し続けられるタイプと、一定の長さしか出せない音とに分けて捉えている。

出せない音:T/D, P/B, K/G, M/N/NG, R, W, TH
出せる音:S/Z, H, Y, F/V, L


まずは出せない音。
T/D
タ行とダ行でいい。Tは無声音でDは有声音。声帯を震わせるか震わせないか。清音か濁音か。
英語らしい音という意味では、日本語のタ/ダ行よりも舌のつく位置がやや前の方で、上の歯の裏側近く。
接着している面積もやや狭く舌先の方だけ。
この方がキレのある音がする。日本語のタ/ダ行の方がちょっともったりしていて優しい音だ。
息を吐きながら舌を口蓋から離す際にT/Dの音が出るが、タ/ダ行の音より長い時間、音が出る。
なぜかというと、ゆっくり舌を離すから。
T/Dに限ったことではなく全ての子音にいえるが、日本語より子音の発音される時間が長い。
子音と母音の長さが同じくらいのつもりで音を出すとちょうど良いかもしれない。
英語の発音を練習しようという段になると、子音をはっきり強く発音しましょうとよく言われる。
その通りなのだけど、私がそれを意識すると、強くて短い音にしてしまう。バットがボールに当たる時のような、瞬間的なイメージで発音してしまう。
でもそれよりは、強くなくて良いので、ゆっくり長く発音するつもりの方がより自然な音が出せると思う。
ゆっくり舌を離そうとする時、息を吐き出し始めているのに、まだ舌は口蓋から離れきっていない時間ができる。
そこでは「ツ/ヅ」に近い音が発生する。
舌の離れきっていない狭い空間を、無理矢理に息が抜けていこうとするから、激しい摩擦音がする。
その摩擦音が英語っぽくて、それも含めてのT/Dの音だと思う。

P/B
パ行とバ行。Pが清音でBが濁音。
語頭の子音はより明瞭に大きく発音されるが、P/Bの場合もそうだ。
その場合もゆっくり発音する。
息が出ていこうとするのにまだ唇同士がひっついたままなので、ちょっと唇のあたりが「ぷっくり」膨れるイメージ。
「頬を膨らませる」という表現ほど大げさではないのだけれど、少し歯と唇の間に空気が溜まる感触がする。
それから、より唇の端の方まで使って発音した方が明瞭な音を出せる。
唇を離す瞬間にP/Bの音がするわけだけど、その時に、唇の端までが一度に離れた方がいい音がする。
長い弦を端から端まで同時にはじく感じ。

K/G
カ行とガ行。

M/N/NG
マ行、ナ行。
NGはingとかの音。「はんこ」の時の「ん」の音。
M/N/NGは、丁寧に鼻腔で響かせるとそれっぽい。

R
うなり声が一番近い。お腹に力を入れないと出ない。
口の形をまねても、唸っていないと全然Rの音じゃない。
舌を上の奥に持ち上げる(舌自体でもいいし舌の先を丸めるように持ち上げてもいい)と、咽頭が狭まる。
その状態で、口の奥の上の方、むしろ喉の領域くらい、のところで音を響かせる。
大型犬が低い声で唸るような音。
口をすぼめるという指導をよく見かけるが、これも唸るため。
子音のRは母音性Rの応用と考えた方が分かりやすいので、また今度、触れます。

W
ワ行の音よりももっと口をすぼめる。
大げさなくらいすぼめる。
特に語頭は、思い切りやらないと英語を話す中では子音として認識しにくい。

TH
わりとどうでもいい。
この先、T/DあるいはF/Vで置き換えられてなくなるという噂も聞く。
上下の歯をわずかに開けて、その歯の間に舌先を軽く付ける。
舌の表側は上の歯に、裏側は下の歯に軽く付く。
その状態から息を吐き出す時に出る、破裂音と摩擦音の中間のような音。


ここからの子音はずっと出し続けられるやつ。
S/Z
サ行とザ行。十秒ぐらい安定して出し続けられるように練習すると良い音になる。

H
ハ行でいいのだけれど、日本語より「息、出てんなー」という感じがする。喉を解放して息を吐き出す。
寒い時に手のひらに息を吹きかける時に、というのがよくある説明で、個人的にはいちばん分かりやすい。
寒いから、たくさん息を吹きかけたいと必死になってみる。

Y
「イ」よりも「ヤ行」よりも、もっと狭い。
「イ」の音は唇を横に伸ばしているので、必然的に口中の空間は、横に長く、縦には狭くなる。
その状態から、舌先が上の口蓋につかない程度に上げる。
だから「イ」よりさらに狭くなる。
だから子音に分類される。
モンゴルのホーミーに近いような気がする。

動画の1:00頃からの音。

F/V
F/Vを下唇を噛んで発音すると思っている人は、どのくらい残っているだのろう?
学校でそう教えられたような、そうでもないような。記憶が曖昧だ。
「下唇を噛みながら発音していたら失敗した時に血が出ると思う」というネタにももう飽きた。
下唇を少し突き出して、唇の裏側に上の歯を軽く乗せる。
唇の裏側と歯の間に息を通すと、唇が振動する。
携帯のバイブ音みたいな音がする。
この子音も息の続く限り出し続けられる。

L
Lの音は、ラ行に近いような気もするが、根本的に違う種類の音でもある。舌の先を上の歯の根元に付けたまま発音する。
その後に母音があると、結局、舌先は離れるのだけど、離さないまま長い時間、Lの音を出すことができる。
ここが、T/Dやラ行の発音とは違うところだ。
舌先を歯の根元の傍に付けたまま音を出すと、舌の両側から息が漏れる音がする。
「側音」と呼ばれるこの音は、舌の横側に隙間がないとうまく息が出ていかないので、T/Dよりも舌が口蓋についている面積が小さい気がする。
より舌の先の方だけを接着させた方が、横から息が漏れやすい。
子音の前のLは、この側音の状態で響く音がきちんと聞こえてくると、それっぽい。

あと、JとかDGの音もあるけどまあ良し。
疲れたので母音はまたいずれ。


【好きな本】


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