変身4

PoTaPa(ポタパ)と変身について

次回公演の情報を公開しました。

【次回公演情報】
PoTaPa参加作品 ヨハクノート2018-2019
「変身」

原作:フランツ・カフカ  潤色・演出:臼杵遥志
出演:臼杵遥志

日時:2018年12月15日(土)14:00~/17:15~  会場:両国門天ホール

フランツ・カフカの名作「変身」を一人芝居で再生します。

?が浮かぶ文言ばかりだと思うので、所信表明も兼ねて詳細のお知らせをしますね。最後まで読んでくれたら嬉しいです。


【今日のお品書き】
 ◼️PoTaPa(ポタパ)ってなに?
 ■『変身』ってなに?カフカってどんな奴?
 ■どんな作品になるの?
(若干のネタバレを含む)
■PoTaPa(ポタパ)ってなに?

パフォーミングアーツ、平たく言えば舞台芸術のイベントです。
複数の団体・アーティストが集まって、作品を上演し、トークする。
イベント名の”PoTaPa”は”Place of Talking and Performing arts”の略です。
堅く訳すと、表現と対話の場、ですかね。

公式ホームページには

パフォーミングアーツをもっと気軽に。公演を対話の生まれる機会にしたい。そんな思いで集まった5組のジャンルの異なるパフォーミングアーツのアーティストが順に15分作品を上演します。各回のあとにはアフタートーク、そして19時からはアフターパーティを行い、お客様同士、あるいはアーティストと、対話や交流する時間を設けています。

とあります。

要するにトークまで含めた作品の連続上演ってことですが、ヨハクノート単体で見ればいつもの公演でやってることなんですよね、ぶっちゃけ。

でも、そこに色んなパフォーミングアーツが集まって見比べられるってのがこのイベントの肝です。コラボやセッションではなく、それぞれがそれぞれの分野で深めている問題意識とか、創作のこだわりとかが交差する、そしてそれを眺めたり、近寄ってみたりする広場みたいなイベントになればいいなあと思います。

あと、演劇とダンスと尺八とコマ撮りアニメーションがいっぺんに楽しめる機会ってのもなかなかないと思うので、そのお得感もポイントです。


■『変身』ってなに?カフカってどんな奴?

『変身』はチェコ出身のドイツ語作家、フランツ・カフカの中編小説です。
カフカの作品の中でも最も有名な作品、のはず。

あらすじは以下の動画を見ていただくと分かりやすいでしょう。

朝起きたら虫になっていて、働けなくなり、親にも見放され、最後は孤独のまま死んでいく。実存主義的とか、不条理とか、とにかく暗い話だと思われがちです。
(ちなみにこの「虫」ってのは原語だと「ウンゲツィーファー」(Ungeziefer)といって、意味は「害のある小動物。また捧げものにならない、役立たずなもの。」という言葉だそうです。)

こんな暗い話なんだから書いてるやつも相当根暗なんだろうと思いきや、カフカという人は案外社交的な部分もあって、仕事もそれなりにできて気遣いのできる人だった、なんて記述も残っています。

でもやっぱり作品や手記を見ているとネガティブ思考であったのだろうとも思います。しかしそのネガティブさが極端すぎて、笑えてくる瞬間すらあります。

例えば、恋する女性に向けて書いたラブレターの一節に

将来にむかって歩くことは、ぼくにはできません。
将来にむかってつまづくこと、これはできます。
いちばんうまくできるのは、倒れたままでいることです。

と記しています。卑屈すぎてむしろ相手に興味がわきます。

また、よく「カフカの名言」としてまとめサイトに載っている

すべてお終いのように見えるときでも、
まだまだ新しい力が湧き出てくる。
それこそ、おまえが生きている証なのだ。

これも実は続きがあって、

もし、そういう力が湧いてこないなら、
そのときは、すべてお終いだ。
もうこれまで。

とまあ突き抜けた卑屈さ。
私は何度もカフカの底抜けの暗さに力をもらいました。
掘り下げれば掘り下げるほど、カフカという人物は面白いです。
そんなわけで、興味が湧き出ているので『変身』に挑みます。


■どんな作品になるの?(若干のネタバレを含む)

そんな『変身』を15分の一人芝居でやってやろうというのが今回の作品。
しかも自作自演。今からもうゲロ吐きそうな緊張です。


ーーーーーーーーーーーややネタバレを含むのでーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーまっさらな気持ちで見たい方はーーーーーーーーーー
ーーーーーーーー次のキリトリ線までスクロールしてねーーーーーーーーー


今のところ、テンポよく進めていくつもりです。それほど長い作品ではないとは言っても15分しかないので。でも蓋を開けたらほとんど喋らない、みたいなオチも十分予測できます。一人語りですから、落語的な要素も取り入れる可能性は大いにあります。あとサラリーマンの話なので、そこも踏まえてスーツでやろうかな、なんてアイデアもあります。まあすべてはアイデアベース。まだ稽古が本格化していないので、本番どうなっているかはあなたの目で確かめてください。

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ーーーーーーーーーーーーここまでで終わりですーーーーーーーーーーーー
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ヨハクノート次回公演、お楽しみに!

【次回公演情報】
PoTaPa参加作品 ヨハクノート2018-2019
「変身」

■原作
フランツ・カフカ
■潤色・演出
臼杵遥志

■出演
臼杵遥志

■日時
2018年12月15日(土)14:00~/17:15~
■会場
両国門天ホール

■PoTaPa詳細
https://peraichi.com/landing_pages/view/potapa20181215
■予約
https://www.quartet-online.net/ticket/potapa20181215?m=0kcijji


そうだ、次は10月30日(火)の22時に重大発表があります!!
お見逃しなく!!!

臼杵遥志(うすきようじ)
1994年5月2日生まれ。福岡県出身。
ヨハクノート代表/演出家/劇作家/俳優。
高校で演劇に出会い、大学進学を機に活動を本格化。2016年、早稲田大学劇団木霊から独立する形でヨハクノートを旗揚げ。大学ではマレビトの会の松田正隆氏に師事し、2017年、同氏が教授を務める立教大学現代心理学部映像身体学科を卒業。<自分・他者・空間>を創作のキーワードに設定しているため、同一作品が会場によって全く異なる演出になることもしばしば。そのためツアー公演では出演者・スタッフとともにああでもない、こうでもないと笑いながら試行錯誤している。近年は子ども向けのワークショップや企業の研修など、<演劇の外で演劇をする>ことに挑戦中。演劇的思考やメソッドを用い、非認知能力向上のためのコンテンツ開発を行っている。

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