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ゴルフコースのスケール

新年あけましておめでとうございます。
本年もどうぞ宜しくお願いいたします。

新年1発目はゴルフコースのスケールについて。
コースのスケールとは専門用語的な使い方です。
スケールの大きいゴルフコースは、広く広大なコースと認識されますが、ゴルフ的なスケールの大きいとはコースの単純な広さのことではなく、何通りも攻略ルートがあるコースのことを指します。

例えばこのようなホール。
220ydのpar3。手前から左奥にまで池があります。グリーン奥からは池に向かって下っており、奥からのショートゲームはとても難しいです。

このようにとても難易度が高いホールだと飛ばし屋有利になりやすいのですが、スケールの大きいコースはこのようにグリーン右サイドからのルートも存在します。右のルートはグリーンに乗る事はありません。しかし、右サイドからのチッピングはグリーンに向かって上り傾斜のためショートゲームとしてはパーを取れる設計になっています。

次はこのホール。
500ydほどのpar5です。2オンも可能なホール。
このホールの難点はIPポイントからグリーンにアプローチする場合、グリーンの縦幅が15ydしかないので止められない。しかも、グリーンの真ん中が高く前後に下っているためIPポイントから打つとほとんどグリーンを外してしまいます。

そのため、このホールのグリーンにアプローチするにはセカンドショットで出来るだけコースの右サイドに打ち、グリーンを横長に使ってアプローチする戦法しかありません。
このようにグリーンにアプローチする方法が一つしかない、限られたショットしかグリーンをキャッチできない場合、スケールの小さいコースとなります。

しかし、間違ってはいけないのはスケールが小さいから良くない。という事ではありません。
ゴルフコースはコース設計家との対話の場。
そのコースを作った設計家と時空を超えて対話しながら、自分の技量を見極めてスコアを出していくのです。

原点回帰

正しく良くないレイアウトの場合もあります。
ただ難易度を上げるためだけに距離を長くしたり、プレールートに木や枝を生やしたり。

今、ゴルフコース界ではオープン当初のレイアウトにコースを復元することで改めて高い評価を得たコースが多くあります。

2015年の川奈ホテルゴルフコース富士コースの15番par5。フジサンケイの時は16番になります。とても有名なpar5です。このホールはティーショットが40yd以上打ち下ろします。そのため滞空時間が長く、風の影響も大きく受けるためティーショットの難易度はとても高いホールです。

しかし、なぜか怖さがあまり感じられないように思います。
では、少しアングルは違いますがこれはどうでしょうか?

少しでも左に行くと海に行ってしまう雰囲気がでてきました。
とても単純ですが、木を切っただけでまるで違うホールに生まれからのです。

川奈ホテルや廣野は、コースがオープンした当初の姿に戻す事で改めて評価されました。
アメリカで始まったこの動きが、ゴルフが始まって100年の日本にも、新時代の幕開けとして広まってほしいと思っています。

日本のゴルフ界は、若いプレイヤーが増えどこもコースは満員です。
しかし、それによって今まで培われてきたゴルフコースの秩序やマナー、エチケットが失われているようにも感じます。
先日、私の出身コースをラウンドさせて頂いた時、メンバー全員自分の目土袋をもって目土をしながらラウンドをしてました。
このような模範的なプレイヤーが増えることを心から願っています。

コースを保全しながら、コースとメンバーと対話しましょう。
きっと素晴らしい1日になると思います。

ゴルフというスポーツを追求し、レッスンや、競技ゴルフを行なってます。もっとゴルフを楽しく、上手くしたい!