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映画「生きちゃった」

監督:石井裕也

〜幼なじみでいつも一緒だった厚久と武田とナツミ。やがて厚久とナツミは結婚し5歳の娘もいる。しかし厚久の愛を感じないナツミは不倫へ走り、、ささやかな暮らしが大きく変化して悲劇を呼び込む。。 

〜〜すごい映画やった。私の語彙不足で表現が幼稚なのですが、怒涛の勢いでズンズン悲劇が覆いかぶさってきて、お茶飲むヒマを与えない90分。特に大島優子さん演じるナツミの、なんでしょう?覚悟を決めてる母・女性の生命力による圧が、美しいはずなのに怖くて儚い。物語上はしんどかったなあ。子供のためを思い踏ん張って生きていたナツミが結局一番裏目でどうにもならないって、、世の中の絶望的な無常が。大島優子さんの圧ある芝居も素晴らしくて見応えあった。

しんどい物語なのでオススメしにくいけど、報われない中でもがく彼らに思う所あるやろうし、微かな希望を感じ取れるはず。予定調和が過ぎるチャンチャンドラマからは得られない感情が湧く。役者さん素晴らしいし、映画館で観てそれぞれの「生きちゃった」を考えてみて欲しい1本です。

すごかった上でP田中としてはもったいなさも感じてしまった、正直に。回想シーン交えて厚久とナツミの関係や歴史は見えてきて2人に感情は入るのですが、若葉くん演じる武田のキャラは見えてこなかった。いい温度の芝居をしてるにも関わらず。幼なじみで厚久と同じようにナツミが好きだったはずの武田の感情の変遷はどうにも不明だった。熱い友情を保てた理由とかほんとに起業したいのか?とかナツミにどうなって欲しかったのか、、人が分かるシーンがもっと見たかった。例えば2人の関係が壊れることを密かに望んでしまっていたとか、、そんなどうしようもない臭い部分がドロッと見えたらより深いトコで泣けた気がする。欲張りを承知で、、すいません。

蛇足。クレジット見て1人キョドってしまったのが、、若葉竜也は"ワカバタツヤ"だと思ってたんすけどなんと"ワカバリュウヤ"だった。今まで何人かに「ワカバタツヤいいよ〜最近一番好きな俳優だよワカバタツヤ!」とかシャシャってた自分がマジ恥ずい。すいません。

http://ikichatta.com/

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