自分ごとの多い人は幸せ
【自分ごと化することについて】
「他人ごとではなく、自分ごととして考えろ、責任感を持て!」「なんでも自分ごと化して捉えられる人間が優秀なビジネスマンだ」といった言葉は、よく聞かれると思いますし、ぼく自身、さまざまなところで言われてきました。
ビジネスにおいて、「自分ごと化する=責任感を持つ=物事を最後細部までやり遂げる」といった理屈は確かに筋が通っていると思いますし、あらゆることを自分ごと化できれば、それはそれは仕事の効率も上がるでしょう。
では、この「自分ごと化する能力」とはどうすれば身につけられるのでしょう、そもそも身につけられるものなのでしょうか。
そんなに簡単にはいかないけれど、身につけられれば良い。というのがぼくの考えです。
興味・関心の範囲を超えて
西村佳哲さんの著書『自分の仕事をつくる』に書かれている、「お客さんではいられないこと」という言葉がとても好きです。
「やりたいことが見つからない」
「好きなことが見つからない」
「熱意を持ち続けることができない」
「なんでもすぐ冷めてしまう」
これから仕事をして生きていく、あるいは仕事をしている中で、自分の中にこのような感情が芽生えた場合、不安と焦りと自己否定感で心が病んでしまうでしょう。
仕事に対して望むこと(給料、やりがい、労働時間)は、ほんとうに人それぞれで、どれが正しいなんて言えるものではありません。
でも、「お客さんではいられないこと」を見つけたときの、ザワザワする心の動きや違和感は、大切にするべきだと考えています。
「お客さんではいられないこと=自分ごと」として捉え、心に従って素直に動くことが健全だと思いますし、動き出せる環境が整っていた自分のことを恵まれているとも感じています。
自分ごとの多い人は幸せ
自分ごと化という考え方は、仕事に限った話ではありません。
友人に、多くの人の悩みや不安について、一緒になって真剣に悩んだり、考えたりできる人がいます。その人は、自分が相手に対してなにができるかいっしょうけんめい考え、ときには、悩んでいる本人よりも落ち込むことがあります。
ぼくはこの友人のことをとっても素敵な人だなぁと思います。人間、ふつうは家族や恋人、親友など、関心のある交友関係は限られていますし、そんなに多くの人のことを自分のことのように大切にはできない。と考えているからです。
なので、多くの他人のことを自分ごと化できる人は、幸せだと思っています。きっと相手もその人のことを自分ごと化してくれ、困ったときには助けてくれるでしょう。
素直に行動できること
これは、昨今のあまりに過剰な誹謗中傷や「叩き」に興じる人たちを擁護しているのではありません。他人に興味関心を持つという意味では同じですが、彼らはけっして対象を自分ごと化しているわけではないからです。
周りの悩みを抱え込みすぎてパンクしないかいつもハラハラしながらも(本人はあくまで「自分になにができるか」だけをシンプルに考えているので、意外とあっさりしているものですが)、その友人をとても応援しています。
自分ごと化したことについて素直に行動できるのは幸せ、という話でした。
山脇、毎日。