新作と定番の切っても切れない関係

市場で供給される商品は、だいたいのものにおいて「新しさ」が求められます。去年よりも新しく、昨日よりも新しく。世の中のありとあらゆる”新作”を、全部集めればとんでもない数になるでしょう。トレンドという価値観は強大で、「飽きる」という人間の習性をうまく取り込み、どんどんモノを生み出し続けます。

一方で、「変わらないのがいい」といった価値観も存在します。創業60年の小料理屋が出すおふくろの味やリーバイス501は、完成された価値を変わらず提供し続けることに努力を費やし、これらは”定番”と呼ばれます。

”新作”を日々生み出すことと、”定番”を守り続けること。この2つの行為は全く異なるように見えて、相互に関係し合っていると思います。

新作を生み出すときに、0から物事を考えるということはあまりないでしょう。生み出したいものの先にはいつも既存のものがあって、それをいかに工夫するか、改良するか、その手腕が問われるのです。これは実際のプロダクトベースの話だけでなく、アイデアベースでも言えることだと思います。

定番を守り続けるためには、時代の変化を超えてつねに価値を保たなければなりません。そこで必要とされるのは”新しさ”です。定番と呼ばれるものは、いついかなるときにおいても新しさを感じられるよう、見えない努力が重ねられているのです。その新しさを求める努力は、提供されるもの自身にわかりやすく表れるとは限りません。

こう考えてみると、新作も定番も、相互に影響を及ぼし合っていると言えないでしょうか。おそらくどちらも世の中に欠けてはいけない存在で、どちらかがなくなってしまえば成り立たないような世界にぼくらは生きているのだと思います。

その前提に立った上で、新作を生み出す人間になるのか、定番を守る人間になるのか。それは人それぞれの適正があって、好きなほうを選べばよいのでしょう。いけないのは、どちらかの立場からどちらかを否定してしまうことだと思います。

とくにファッションの分野においては、「コピー商品」や「復刻版」が簡単にできてしまうことから、どちらの立場からも否定されやすい環境にあります。そんな中、本来はポジティブな影響を及ぼし合う存在であることを当事者たちが意識するのは、忘れがちなようで大切なんじゃないかと。そう思いました。

山脇、毎日。


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山脇 耀平

山脇、毎日。(1)2016.5〜10

山脇が考えた日々のこと。平日毎日更新。
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