選択肢を諦めない

6月からはじまったオンラインサロン「僕らの理想のデニムってなんだろう?」内のコンテンツとして、メンバー1人1人の価値観を掘り下げていく「ヒアリングリレー」を行っています。

本サロンのメンバーは好きなブランドが似ていたり、持ち物が被っていたりと価値観が近いので、ヒアリングも毎回ワイワイ盛り上がっています。

ぼくも普段、人の買い物の仕方や持ち物へのこだわりについて真正面から問いかけ、理由を深掘りしていくことはあまりないので、新鮮さにワクワクしながら興味深く話を聞いています。

まだ全員とは話をできていないのですが、ここまでで確実に言えるのは、少なくとも、ぼくたちは決してファッションに興味がなくなったわけではないということ。もし自分にとって気に入る洋服が見つかれば、喜んで買いたい。というのが率直な感想です。

これは、サロンを始めるときに抱いた疑問であり、仮説でもあります。確かに、洋服に費やす金額は減ったかもしれません。でもそれがすなわち興味がなくなったということではなくて、自分の気にいるモノが見つかっている人はそれを長く大切にし、そうでない人は、半ば諦めのようにコスパの良いモノを買って落ち着いているという印象を受けます。

そんな中で、自分が何を好きだと思うのかを掘り下げ、それを知った上で何を買うことができるのかを知ること。自分の気に入るモノの見つけ方を明らかにすることは、好きなモノが見つからなくてモヤモヤしていたぼくのような人にとってはめちゃくちゃありがたいのです。

いままでは、そのようなモヤモヤを解決できませんでした。なぜ解決できないかというと、まず解決の仕方をしらないし、そもそも解決しようと思わないように仕向けられているのだと思います。

仕向けられていると言うと誰かが悪いように聞こえますが、事態はそんなに単純ではなく、個人がコントロールすることなど到底できない、とてつもなく大きな構造のうねりの中で、マスの消費手段は自然に今の状態に落ち着いているのだと思います。

そんな状況で、まずは小さくてもいいから、自分にとって心地の良いモノの見つけ方を探すこと。その手段を新たな選択肢として生活に取り入れ、徐々に他の人へも広めることで、「あらゆる消費手段の選択肢」をフラットにしていきたいです。

選択肢をフラットにするのは、並大抵のことではありません。大切なのは、既存の選択肢を転覆させるのではなく、取って代えようとするのでもなく、新しく提示すること。この意識を必ず大切に、忘れずにいたいと思います。

山脇、毎日。