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7平均律の6音目が第29倍音と近い話

"7平均律の6音目が第29倍音と近い"という話を聞いたので、いったいどのくらい近いのか、ちょっと計算してみましょう。

まず、7平均律の隣り合う1音の周波数比は2^(1/7)となるので、基音の周波数をA(Hz)としたとき、そこから6音高い音の周波数はA*2^(6/7)Hzとなります。

続いて、基音の周波数をA(Hz)としたときの29倍音の周波数は当然A*29(Hz)となりますが、これだと音が高すぎて比較しにくいので、オクターヴ等価性(オクターヴの上下を同じ音とみなす)を利用して音を下げます。nオクターヴは2^nの周波数で行き来することができるので、仮に4オクターヴ分下げるとすると、先ほどの周波数はA*29/16(Hz)となります。

よって、以下のような比較になります。

7平均律の6音目:第29倍音
=A*2^(6/7):A*29/16
=2^(6/7):29/16
≒1.8114473:1.8125

もしA=440の場合、以下のような誤差になります。

440*1.811473=797.036812
440*1.8125=797.5
∴誤差:0.463188

ということで、基音が440Hzの場合、比較した2つの音の誤差は0.5Hz未満です。ちなみにこれはcent値に直すと、(1.8125-1.8114473)*1200=1.26324centになります。なるほど、これはかなり近い。

この近似性に起因しているかどうかはわかりませんが、7平均律っぽい音律は実際にアフリカ、インド、タイ等の民族音楽に登場するとのこと。

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