ロシアW杯と、フランスW杯に挑む日本代表

もはや遠い過去のようにも思える、2018年のロシア・ワールドカップ。

グループリーグを突破し、優勝候補でもあったベルギーを追い詰めるなど、いまとなってはポジティブな印象が強い。

でも、大会前の日本代表を取り巻く状況は悲観そのものだった。ちょうど1年前にこんなnoteを書いた。

日本は間違いなくグループステージで敗退する。そう言われていたことに対してのささやかな反論だった。

報道は批判一色、世論の期待はゼロ。

周りのサッカー好きもみんな「こんなに盛り上がらないW杯なんて初めてだ」と言っていた。

コロンビア、セネガル、ポーランドという対戦国との実力差を考えれば、もともとグループリーグ突破は悲観的に考えるほうが現実的ではあった。

さらに直前での監督交代があって、日本代表に対する世の中の期待は薄まり、関心すら希薄になっていた。

だから批判したり、期待しなかったりするのは理解はできた。だけど、当時の批判はもはや嘲笑や憎悪に近い言説にも成り代わっていた。

振り返ってみると、「批判一色のメディアと期待ゼロだった世論」は、日本代表にとって最高のモチベーションになったのかもしれないと思う。

選手の立場になって想像するに、いや、あれほど燃えるシチュエーションはない。

大会前に収録された『Number』のインタビューで、キャプテンの長谷部誠は「世論をひっくり返す」と言っていた。そして、大会後にも「見返してやろう」と選手間で話していたと明かしていた。

逆境すぎるほどの逆境が、選手たちの間での反骨心を強め、プラスに働いた。

大会が進むにつれて、日本代表に対してメディアや世間は思いっきり手のひらを返した。それは悪いことではないし、リアクションとしてはむしろ健全だ。結局、2018年のロシア・ワールドカップは大いに盛り上がった。

そして1年後の現在、今度はなでしこジャパンがフランス・ワールドカップに挑もうとしている。

W杯優勝という男子では夢のまた夢の偉業を成し遂げているにもかかわらず、男子よりも関心が薄く、関心がないから批判もされず、世論の期待もあまり感じない。

W杯開幕を1週間前に控え、そんな相変わらずな光景をいまこの瞬間に見ている。

ほとんど報道もされていないから、僕の周囲には女子W杯が6月から始まることすら知らない人が大半だ。むしろ、同じタイミングで開催される男子のコパ・アメリカに関心が向けられている。

この逆境を、なでしこジャパンに思いっきりひっくり返してほしい。

という思いを、以下の記事で書いてみた(追記)。


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鈴木洋平(編集者)

1988年2月生まれ。2017年まで出版社で『編集会議』をはじめとするメディアや広告・マーケティング専門誌の編集者。2018年より“社会の無関心の打破”を掲げる社会問題に特化したメディア「リディラバジャーナル」記者。さまざまな社会問題の現場を取材している。
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