見出し画像

学歴ついて語るときに僕の語ること 

メルマガに不定期連載中の人生相談コーナー。

久々に相談が届いたので、掲載。
これ、皆さんにも意見を聞きたいな。

Q.学歴って、どうよ?

長男が僕の母校の中等部に入っており
そのまま高等部に行くはずだったのですが…
学業不振と生活態度が悪くて
高等部への進級を考えなくてはならないという
びっくりなことが起こっています。

母校には僕の恩師たちがおり、
目をかけてくれているものの…

つい先日、友人との飲み会(アラフィー3人)で

比較対象A:
灘⇒京大⇒R社⇒HR系事業会社社長の方と
一緒でした。

僕は比較対象B:
近大附属豊岡⇒学芸大⇒起業家⇒事業家です。

友人(比較対象C)が言うのです、
「僕は地元の公立高校で
 勉強しなかったから大学もFランだけど
 やっぱり子供にも学歴って求めるもの?」って。

すかさずふたりとも
「あったほうが良いよね」と答えるわけですが、
「その後がねぇwww」って。
実はAさんのお子さんは
立命館の付属中に行かれていて
そのまま進学って流れだったはずだが
出来が悪いらしい。

学校の先生にならずに
起業して今に至っている中で、
学歴なんて関係ないっすよ!って言うことも多い。
でも、やっぱ学歴「も」
大事だなぁって思うこともある。

ぱっと見だとやっぱりあると有利。
じっくり付き合っていくと無くても気にならない。
結局大学で何をするかだし、
行かなきゃ行かないで何をするかだし。

どっちにしても、
僕の息子に何を伝えてやったら良いのか…
っていいながらさらっと
その話題はお酒と一緒に流れていくわけですが。

そんな中で、やっぱり比較の話なんですよね。
自分自身がどうありたいのか?
っていう話に僕自身が至れていない。
だからこそ誰かを並べてみて、
自分の目線で比較してみて、優劣を付けたい。

この習慣というか習性というか
染み付いてしまっているものを
アンラーニングしたいわけです。手放したい。
手放して楽になってしまいたい!!w

45才 男 兵庫県出身 

A.学校に何を期待するかですねえ

きましたね、学歴問題。

その前に、お子様の成績不良の問題ですが、
これはあたたかく見守り、応援しましょう。
お子様が内部進学できない可能性が
どれくらいなのか、
メールからはわかりませんでした。
可能性がゼロではないのか、
もう外に出るしかないのか、
1年多くかかるかなど
様々なパターンがあるでしょう。

ただ、成績不良に限らず
「学校生活で何か問題が起こっている」
ということは誰にでもあり得るわけで。
これも、不幸なようで
きっと何かにつながるのではないでしょうか。

私も10代の頃は、学校に行くのが嫌だった時期、
人間関係の悩みを抱えた時期、
進学することに意味を見いだせなかった時期
などがありました。
その頃を美化する気分にはなれませんが、
人生にとって大事な時期だったとも思います。

さて、学歴の件。

大変、難しい話ですね。

これは「学歴」に何を期待するかですね。

レベルなのか、ラベルなのか。
知識なのか、体験なのか。人脈なのか。

どんなメリット、リターン、ベネフィットを期待するのか。
自分が納得するポイントとは何なのか。

難しい話であるがゆえに、あえて、
徒然なるままに書き、視点を提供しますね。

「学歴など関係ない。
 ◯◯さんは高校中退で、あんなに頑張っている」
「世の中、学歴がすべてだ。
 なんとしてでも東大に入れ」
「日本国内の大学に受かったところで、
 何の意味もない。
 若者よ、海外のエリート大学を目指せ」

なんて、言われても、
それぞれ「お、おう」という感じで、必ずしも
納得も理解もできないのではないでしょうか。
これらは、
理論なのか、持論なのか。
どちらでもないのか。

一方で「偏差値にとらわれない大学選び」が、
私の認識では
もう30年くらい叫ばれているわけですが
(ちょうど設置基準の
 大網化あたりからだったのではないかと)、
実際、本学も偏差値の枠をこえた改革に
取り組んでいるわけですが、
その「偏差値とは関係ない魅力」なるものが
必ずしも伝わらないのも悩ましい問題で。
オープンキャンパスに来て頂かないと、
伝わりにくいわけです。
実際は、滑り止めで
あまり調べずに
受ける人もいるわけで。

もちろん、この魅力を伝えるために
大学教職員は奮闘しているのですが。

先日、大変尊敬する友人から、
「常見さんは、札幌南、一橋なのに、
 偉そうに見えない」というお言葉を頂きました。
有名校、伝統校、偏差値の高い学校を出た人には
偉そうに振る舞う人がいっぱいいる、と。
たしかに、入りたいと思った学校には
一通り入ってきたことを思い出しました。

一方、今の私は、
「え、大学の先生なのですか?」
「◯◯を卒業しているのですか?」
と言われることが多く。

初対面では、プロレスラー、ミュージシャンと
間違えられるのですから。

まあ、この件も、プロレスラー、ミュージシャンは
「どうせ、大学は出ていない」という
アンコンシャス・バイアスによるものですが。

実際はそんなことはなく。
交流のあるUNISON SQUARE GARDENの
田淵智也さん(早稲田大学政治経済学部卒)を
始め、有名大学出身アーティストは
たくさんいるわけです。
あ、一橋大学の後輩、水野良樹さんもそうですね。
新しい本を出すたびに、彼に届けているのですが、
Excelでつくる献本シートに
「部署名:いきものがかり 役職名:リーダー」と
打ち込むたびに、くすりと笑ってしまいます。

ただ、私にとって第一志望で入った
札幌南高校にしろ、一橋大学にしろ、
そこにコンプレックスを感じる人もおり。
高校時代は
「東京の私立の生徒の方が勉強している」
という話をする人はおり。
一橋大学も、大学1年のときに
「テストは隣の席の学生と相談可」という、
楽勝科目があったのですが。
東大理系志望から文転し、
いったん一橋大学に入った同級生は、
講義中に東大の赤本を問いていました。
仮面浪人ですね。
ちなみに、大妻女子大学との合コンに行ったときの
そいつの挨拶は「皆さんの大学は
良妻賢母を輩出する大学として知られ」
というもので絶句し。
さらに、合コンの間、
高校時代の同級生の東大生と、
二次試験での数学対策について語っていて、
卒倒しました。

ちゃんと、連絡先聞けよ。

いま、財務省なんですけどね。

私は、一橋大学に猛烈に入りたかったわけです。
東大的なものが苦手だったわけです、若い頃は。
内地の大学で、国公立で、
社会学を学ぶことができ、
メディア企業か大学教員になるなら
一橋だと思ったわけです。
ただ、「君は東大に行けなかったのではないか」
「君が東大に行けなかったことを、
 親はどう思っているのか?」なんて
質問をされたこともありましたね。

これまた自慢っぽく聞こえると思うのですが
高校時代は
「受験勉強など茶番だ」
と思っていて。
短期集中でやると決めていて
3年生の学園祭終了後に
「これから1000時間
勉強すれば、現役合格できるのでは?」
と考え、1日12時間は勉強できる
ことに気づき。

1000時間を
数学に250時間
英語に150時間
というように振り分けたのですね。

過去問10年分
進研ゼミの1年分の教材
4社分のセンター試験(当時)問題集
について、問題と答を
全部覚えたのです。
短期集中でやりきりました。

これを猛勉強と呼ぶか
ハッキングと呼ぶか
判断が分かれると思いますが。

入学時点で実力が怪しいわけです。

結局、ラベルなのか、レベルなのかという議論が
ぐるぐるします。

学歴と言うと、いつのまにか、
学校名の話にすり替わるわけですが。
それは「ヨコの学歴」であって。
高卒、大卒、院卒という
「タテの学歴」というものがあるのですね。
この「タテの学歴」においては、
高卒と大卒で比較すると
大卒の方が平均年収は高く。
一方、あくまで平均であって、
高卒の平均に届かない大卒もいるわけです。

大学ごとの就職実績をみると、
学歴差別・区別の結果なのかどうかは別として、
差があるのは明らかです。
一般的に難関国公立大学、私立大学ほど、
大手企業、外資系企業比率が増えますね。

いわゆる学歴フィルター問題です。

理論でも説明は可能で。

訓練可能性説
(難易度の高い大学の学生ほど
入社後の訓練費用が安い説)

人技術的機能主義
(難易度の高い大学ほど職務で
必要とされる技能を高める教育
をしていると想定する考え方)

大学入試によってもともと
潜在能力の高い者が選抜されている説

大企業ほど有名大学の卒業生という
社会的により正統性の高い要素を
とりこもうとしている説

有名大学の卒業生がいる大企業は
非有名大学の卒業生を排除している説

などなど。

一方、様々な大学から採用している
大手企業も存在します。
また、卒業してしまえば、
学歴差別・区別が緩和されることもあります。

地銀に進んだ教え子は、今年、
外資系コンサルティング会社に転職しました、
そういえば。

古巣、リクルートでも
千葉商科大学の教え子が
3人働いています。
全員、新卒ではなく、中途ですね。

さらに、
名門と言われる大学のブランドが凋落したり、
台頭する大学があったり。
看板学部が看板倒れになったり。
まあ、いろんなことがあります。

偏差値に関係なく、同窓会組織が熱い大学もあり。

一方、絶対に結婚式で大学名を言わないでくれと
お願いする人も世の中にはいるようで。

結局、学歴に何を期待するかという話になります。

まあ、結果として、
札幌南、一橋に行ってよかったと思います。
よい仲間、先生との出会いはありました。
校風も私にはあっていました。
自由度も高かったです。

そう、実は
偏差値が高いからでも
ラベルを求めたわけでもなく
あの自由な空気、
その中での青春が
私のほしかったものなのかも
しれません。

高校ではロック
大学ではプロレスとゼミ
を腹いっぱいやりました。

たくさんの音楽、映画、本に
まみれました。

もっとも在学中も今も、
自分のレベルが釣り合っていたのか、
そのラベルほどの活躍ができているかは疑問です。
過剰に評価されていると感じることもあります。

というわけで、ここまで読んで、
学歴なんか関係ないやと考えるか、
やっぱり大事だと考えるかは皆さん次第です。

ここで自分の学歴と、子供の学歴は明確に異なり。

彼・彼女がどのように学び、生きるか。

これは親だけで決めるものでもなく。

よく考えてください。

私の場合、
「高学歴、ラベルを手に入れたい」のではなく、
ピュアに札幌南に行きたい、
一橋に行きたいと思えて、実現できて、
結局、手にいれたかったのは、
その3年なり、4年のハッピーな時間だったので。
その時点で
私の学歴に関する話はいったん終わっています。

あんなに自由に生きているのに、
あの学校出身だったのね、と見られるとか、
素晴らしい仲間に支えられるという意味では
得をしているのでしょう。

バカなことを一生懸命やっていても
「あの人は札南出身だから」
「一応、一橋を出ているから」
と、信頼を勝ち得ているのかも
しれませんね。

同窓会に行っても
髪がピンクの男性
いや、人は私だけです。

一方、それなりに愛校心はありつつも、
札南や、一橋や、どやと言うつもりもなく。

というわけで、何を誰とどこで、どう学びたいか。
巡り巡って、
その原点回帰が必要だと思っています。
はい。

いつの間にか
自分語りがすべてになってしまいましたが
学歴を考えるヒント
くらいにはなりましたかね?

1年生のときに
「俺、両親、高卒です」
「バイト先の高卒フリーター、超仕事できます」
「大学で学ぶ意味、あるんすか?」
と言っていた教え子が、
勉強とギターに夢中になり
「商大に、国際に入って本当によかったです」
「あのとき、大学に意味がないと言ってすみません」
と言ってくれました、最近。

胸がいっぱいになりました。

ありがとう。

+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+

皆さんからの人生相談メールを
お待ちしております。
件名に『人生相談』とご記入の上、
ペンネーム(実名も可)、
年齢(可能であれば)、
性別、相談内容をお送りください。
yoheitsunemi@gmail.comまで!
よろしくお願いします!

+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?