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新聞買いに、村上へ

#阿賀北ノベルジャム  後取材記1

はじめに

「バッテンガール」
🎊 2020阿賀北ノベルジャム第一回グランプリを受賞しました 🎊
応援してくださった皆様、ありがとうございます☺️
そしてこれから出会う皆様、よろしければどうぞご贔屓に!
クモハ、よろよろ、ドコドコ進みますので、見守ってくださいね。

さて

村上に取材に行くはずだった。そりゃもう日程まで決めていた。けれど、年末は大雪で、年明けはコロナで挫折した。取材に行かずに執筆するなんて冗談じゃない、と思っていたができないものはできない。ネットを使いまくり、数年前に行った記憶を掘り起こし、阿賀北地方の村上を主に舞台したヤングアダルト小説「バッテンガール」を完成させた。

その小説がグランプリをいただいた。
クモハは申し訳ない気持ちでいっぱいである。あの学校も、あの街角も、あの鉄道も、この目で見たい!
おりしも緊急事態宣言解除 🎉
実家に「県外者を迎え入れる覚悟」の確認を入れ、二日前に夜行バスの切符を取った。クモハはスマホを持たない。代わりに「高機能チビ土偶」を一緒に連れて行く。
この文章は余談の塊だが、コロナ下の夜行バス状況は以前とはすっかり変わっていた。神奈川〜新潟便がなくなった。クモハは新宿パスタに行かなければいけない。深夜の新宿!?
以前、東海道線の遅延で夜行バスを乗り逃したトラウマが蘇った。

かなり余裕を持って到着。チビ土偶は久しぶりの人混みに興奮気味。
ここで面白いものを聞いた。待合席で隣の男が女を口説いている。小説家の耳が立った。男はホストだった。決めゼリフは
「違う場所であってたら、友達になれたかな」
クモハはトイレに立ったが、チビ土偶によると、女は自分のバス便がコールされ、旅立っていったらしい。
クモハは想像した。きっと深夜営業のできないホストが、いつか来る日のためにここで腕を磨いているのだと。ガンバレ、ホスト君!
君のことはきっといつかネタにさせてもらうよ!

新潟駅には朝6時に着いた。ここで朝食を調達してJRで村上に向かう。
ところが、グーグルで予習してきたはずのコンビニがない!
あいにく新潟駅は大改装中で、道端のコウガイビルのように長く長く伸びていた。🎵歩いても〜歩いても〜小舟のように🎵
「高機能チビ土偶」の出番である。ようやく私たちは、半地下のセブンイレブンに着いた。そしてサンドイッチの他に、ますの寿司 佐渡産サクラマス使用 を手に入れ、村上に向かった。

次のミッションは村上駅で新潟日報を買うこと。「阿賀北ノベルジャム」の記事が25日の朝刊に載ることは、前もって記者さんから教えてもらっていた。ちょうどいいではないか。その日、その朝、クモハは村上にいる。
白新線&羽越本線の中で、クモハは興奮状態であった。
何しろ! 乗ってくる高校生のカバンに「Sakura」(桜が丘高校)と書いてある。そして、お〜! あれは瑠依が着ているはずの村上高校の制服!!!
そして、華乃が乗り降りする平木田の駅!!

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クモハたちは運良く高校生たちの通学時間に行き当たったのだ。

終点の村上駅はクモハの記憶にある通りだった。待合室と売店は新しくなっていた。クモハたちは重いリュックをロッカーに預けると、新潟日報を買って街に出た。
この旅がまったく思いもかけない展開を見せることをクモハたちはまだ知らない。

続くはず……


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