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お客様にどう選ばれる?

「サプライチェーン」というワードが良く登場する時代になりました。
簡単に言えば、供給網(供給連鎖)。
製品の原材料・部品の調達から、製造、在庫管理、配送、販売、消費までの全体の一連の流れのことをいいます。

最近のサプライチェーンに関わるニュースと言えば、

「半導体不足で、自動車メーカーのライン停止」
「東南アジアからの部品供給停止で、国内生産ライン停止」

みたいな記事が、時折飛び込んで来ます。

昨年コロナが蔓延してからも、

- コンテナ不足で・・・
- スエズ運河の事故で・・・
- ○○のロックダウンで・・・
- 線状降水帯による大雨での水害に影響で・・・
- 緊急事態宣言下の移動制限の影響で・・・

など、サプライチェーンのどこかに問題が起きて、部品の供給が滞り、最終製品となって消費者の手に届かないことが、次々に起きています。

コロナでなくても過去には、

- 震災、津波の影響
- 工場火災の影響
- 原材料不足の影響(中国がらみなど)
- ハリケーンの影響
- 企業倒産、廃業の影響
・・・

などで、サプライチェーンが分断され、製品が消費者に届けられず、業界経済にも影響が出たケースは数えらきれません。

BCPとサプライチェーン

一方で、BCPという言葉があります。

BCPとは、「企業が自然災害、大火災、テロ攻撃などの緊急事態に遭遇した場合において、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法、手段などを取り決めておく計画」のことです。

最近流行のSDG's的に言えば、「持続可能な」対応策、準備ということになるのでしょうか。

いずれにしても、特にリーマンショックや東日本大震災を経て、多くの主にメーカーは、自社の関係するサプライチェーンを守り、事業を継続する対応をしてきました。

しかしどれだけ準備、対策をしても、結局今回のコロナで起こる問題までは想定できず、サプライチェーンの分断リスクは依然として高いままです。

問題は、サプライチェーンは非常に広い範囲に及ぶので、たとえ自分たちが直接何らかの災害やトラブルを抱えていなくても、間接的に影響を受けること。
最終メーカーさんが停まってしまえば、関連する部品の発注や物流がすべて停まってしまうこと。

例えば、遠く海外の事だから関係ないと思っていても、庭先の受注や仕事に、連鎖的に影響が及ぶということです。


インターネットや物流、そして部品調達などのグローバル化によって、国境や業種分野関係無く、影響がでます。

お客様の立場に立って考えよう

さて、そんな中、我々のお客様、我々に仕事を発注、手配していただくお客様の担当者、購買課・資材課の方は、今後どんなことを考えていらっしゃるでしょうか?

お客様は、自身の生産や事業活動を停めないために、今後も含めどんなニーズを持っていらっしゃるでしょうか?

一緒に考えて見ましょう。


□ 部品はどこから調達したらいいか? 集約か分散か?

まず、サプライチェーンを守るためには、部品メーカーの地理的条件が重要です。
我々、表面処理業としては、その部品メーカーさんとその先の最終メーカーさんのニーズを把握する必要がありますよね。

当然、メーカーさんまでの距離(デリバリー時間)もそうですし、地理的に災害リスクがどれくらいあるのか?

物流の手段にもよりますが、必ずしも物理的な距離が近いほどいいと言うわけではありません。

それから、集約したほうがいいのか、2社、3社、同じような製品を手配する先を分散したほうがいいのか?

分散するのであれば、災害のリスクを考えて、どれくらい離れていた方がいいのか?
また、分散した手配先が同業界で、その先の手配先は重なり二次的なリスクないか?

そして、一時は量産製品はどんどん海外生産、海外調達が良しとされたが、本当に海外調達、海外生産がいいのか?

海外であれば、どの国がいいのか?
集約したほうがいいか、国を分散したほうがいいのか?

そうなると、現地の製造原価だけでなくて、政治的なリスクやバックアップ体制など・・・

とにかく、「どこから調達」、「どの企業に発注」をするかっていうのは、ある程度の規模のお客様にとっては、今まで以上に重要な世の中になりました。

□ 手配先は、未来永劫大丈夫か?

さて、災害や社会経済的に関係なく起こりえるリスクとしては、企業やその事業の倒産、廃業、撤退です。

もちろん、経営的に会社が傾いてのこともありますが、それ以外にも設備の廃棄、経営者の後継者不在、社長の刑事事件、従業員が不足、環境事故・・・などで、突然部品供給が止まることには、かなり各社敏感になっています。

倒産廃業こそ避けたものの、取引先をライバル他メーカーに買収、グループ会社化され、自分のところの仕事はすべて断られたという話も聞きます。

当社にお問い合わせをいただき、新しくお仕事をいただくお客様の中にも、

「今までの取引先が廃業してしまい、どこか今後安心してお付き合いいただけるめっきメーカーを探していました・・・」

みたいな声も結構な頻度で、いただいております。

また、当然ですが「未来永劫大丈夫か?」という中には、品質や環境、また諸管理に関わる”大丈夫さ加減”も、含まれています。

めっき手配先の品質や環境、そして管理は、部品を作っておられるお客様にとっては、自社の部品や製品の価値を決める上でも大きな要素です。

どんな品質体制、環境体制、管理体制の依頼先を求めていらっしゃるか?

これを、時間軸で考えた際に現時点はもとより、将来にわたって信頼いただけるレベルでなくてはなりません。

□ 手が掛からないか? 提案、メリットはあるか?

さて、メーカーのバイヤーさん(手配購買担当者)は、様々なリスクに対応しながら、発注案件をさばかなくてはならず大変です・・・

部品の供給が途切れれば、社内からの突き上げに合いますし、そうは言ってもスピードだけ重視で適当な発注をしていては、後からいろんな問題に振り回されます。

さらに、バイヤーさんの世代交代も進んでいます。

少し前のバイヤーさんは、たたき上げの方も多く、ものづくりに詳しい方が多くいました。
いわゆる「目利き」のバイヤーさんです。

言い換えれば、どうやって、どれくらいのコストで作っているのか。
そして、そのものが良いものか、悪いものか?本物か偽物か?・・・よくご存じだったのです。

我々外注先にも、良く顔を出してくれましたし、現地現物での商談も多くありました。

ですので、私たちも商談をする際にも、いい加減な提案はできませんし、逆に作り手が大変なことを理解いただき、ある程度の折り合いをつけてくれました。
(貸し借りみたいなこともありました(笑))

でも、現在は多くのメーカーさんのバイヤーさんは、主にパソコンに向かって手配、調達をする時間がどうしても多くなっています。

トラブル対応もしたり、労働時間管理も大変です。

定期的なローテーションもあり、長く同じ担当バイヤーでいることもありません。

そんなバイヤーさんは、どんな手配先を求めているでしょうか?

また、バイヤーさんの後ろに控えている、設計者さんやエンジニアさん、その上司は、どんなニーズを持っていらっしゃるでしょうか?


少し視点を変えて、最近こんなサービスが急拡大しています。

それは、

”部品の図面を送信すると、短時間で見積が返って来て、かつワンクリックで加工手配まで完了するAIサービス”

です。

つまり、設計者がCADで作りたい部品を設計して、そのままそのサービスに送信すると、値段も納期も表示されて、数日後には手元に届くんです。

・・・・そうです。
皆さんが、アマゾンや楽天などの通販で、ものを買うのと同じような感覚で、部品の注文手配ができてしまう世の中です。

代表例では、

・(株)ミスミ社のメヴィ
・キャディ(株)社CADDI
・アメリカでは、大手ゾーメトリー社が上場
・・・・

と、バイヤーさんが楽をするサービスが急拡大しています。

さて、そんな中で、部品メーカーさんから主にお仕事をいただいている私たちには、どんな影響、ニーズがあるのでしょうか?


□ 変化するお客様のニーズにどうお応えするか? [全員営業、マーケティング思考]

いろいろ最近の社会情勢を踏まえて、お客様の調達手配のニーズの背景を考えて見ました。

さて、私たちの今後の活動に対する具体的な答えは・・・・


そう・・・、それはそれぞれの現場、それぞれのお客様、それぞれの事例の中にあります。

どんどん、お客様のニーズも多様化しています。
求められる価値の基準も変わっていきます。

私どもも、現時点での当社の戦略や活動が正しいかどうか解りません。

ただ、いつの時代も商売の基本は一緒です。

お客様の求めるものは、
「早い」「旨い」「安い」ですよね。

~ 短納期で、品質が良く、安価=「結果的に妥当な価格」 ~

であること。
それに加えて、この不確実性の高い時代には、

~ より、安全安心であること ~

そこにどうお応え出来るか・・・

当社も、まだまだ全員営業も走り出したばかりです。

社会の変化は、すべて私たちにとってはチャンス、機会です。

ぜひ、全員でお客様のニーズを探り、検証し、お応えし、パートナーとして選んでいただける無くてはならない会社を目指して行きたいです。

※ 社長VOICE 2021より

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