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経営理念・ビジョン「が浸透する」後押しとなる「クレド」の効果

会社が成長する原動力となる要素の一つ、「経営理念・ビジョン」が経営の基軸として重要であることを説明しました。

経営理念・ビジョンが経営の基軸として有効に機能するためには、それが社員一人一人にしっかりと共感・理解されていることが必要です。「経営理念の浸透」というように言われますが、経営理念「を浸透させる」ではなく、経営理念が「浸透する」というように、その言葉づかいにも留意されると良いでしょう。

さて、経営理念・ビジョンの浸透を「後押し」する代表的な施策として、「クレド」の活用が挙げられます。

クレドの活用というとリッツカールトンホテルの事例がとてもよく知られていますね。リッツカールトンホテルの事例がさまざまな機会で紹介されたことをきっかけとして、今では「クレド」とか「行動規範」「バリュー」などといったものを成文化し、カードにしていつも身に付けているという会社も増えてきました。

今から10年ほど前、2008年、2009年ぐらいのことですが、その頃はまだクレドを策定している会社はさほど多くありませんでした。そこで、私は、各地の中堅・中小企業5社のご協力をいただき、社員参画でクレドを策定していただき、事前・事後にさまざまな調査をしてその結果を測定しました。

その一つが、画像で示したアンケート調査の結果です。

新たにクレドを導入した5社の社員の皆さま全員を対象に、アンケートに回答していただきました。クレドを策定して、その読み合わせなどの施策を実践し、1~3か月ぐらい経過した時点でのアンケート調査結果です。各社それぞれ平均値を算出して、その5社の平均値を平均したものです。

アンケートの各設問について、1から5の5件法で回答していただいています。

1:全然あてはまらない、2:ややあてはまる、3:どちらともいえない、4:ややあてはまる、5:非常にあてはまる

「②会社が向かう方向性がさらに理解できるようになった」が4.2、「⑥個人目標だけでなくチームや会社の目標をさらに意識するようになった」が4.0、「⑩一人一人が『会社の顔』であることをさらに意識するようになった」が4.2と、とても高いスコアになっています。

全設問の5社平均値をとりますと3.64ということでした。

全社員を対象とするアンケートでこれだけの高スコアが出るというのは、確実に好影響が生まれたということが言えるかと思います。

5件法においては、ポジティブな影響を見るにあたって3.50というのが一つの基準となりますので、3.64という数字は「好影響があった」というように、確実に言えると思います。

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