見出し画像

NHK 岩田明子解説委員は何を話したか

日本政府は、佐渡の金山の世界文化遺産への推薦を決めた。これに関するNHKのニュース、シブ5時(1月27日)は、「歴史戦チームの活躍が鍵」というニュースを流した。
この中で、岩田明子解説委員が、以下のように解説した。

ユネスコが、明治の産業遺産の展示に遺憾を表明したことに触れていない。政治的中立を守った解説と言えるのか、読んでご判断いただきたい。

以下は、約5分間の解説の全文です。太字は司会者の質問です。

佐渡金山を世界文化遺産に決定するか明日発表される見通しです。登録の実現に向けてあるチームの働きが鍵を握っているそうなんですね。岩田解説委員です。

はい、今世界文化遺産への推薦をめぐって、政府の対応に注目が集まっているんです。 ユネスコへの推薦書の提出期限は 5 日後の 2 月 1 日なんですね。

で、先月、文化庁の審議会は世界文化遺産の推薦候補に、佐渡の金山を選定すると答申しました。 ところが、選定は推薦の決定ではなく、政府内で総合的に検討すると、注釈を付けました。

推薦は提出期限までに官邸が判断することになったんです。で、これを受け、政府与党内には、今回の推薦は見送るべきだとか、まあ推薦を来年に遅らせるべきという意見も出ているなか、

岸田総理大臣はぜひ登録を実現したいと考えて、そのためにまあどういう対応が効果的なのか、今総合的に検討していると述べました。結論を明日発表する見通しなんですね。

明日注目ですね。仮にこの推薦が決まるとどういうことになっていくんですか?


はい、あの推薦書を提出しますと、ユネスコの諮問機関で審査され、来年夏の世界遺産委員会で登録の可否が決議されます。 で、コンセンサスが得られない場合は 2/3 の賛成が必要となります。

で、今回、世界文化遺産の登録にあたって、佐渡の金山の普遍的な価値として、17 世紀における世界最大級の金の生産地であるということ。 それからヨーロッパの進出で、世界的に機械化が進む中、まあ、ヨーロッパとは異なるシステムを伝統的、手工業で発展させたことなどが挙げられているんですね。

しかし、日本と歴史認識が異なる韓国は、韓国人の強制労働の被害の現場だなど反発しているんですね。 で、韓国外交部は即時撤回を求めるとの論評を発表しています。また、世界遺産委員会で多数決に持ち込まれた場合に、他の委員国が日本と韓国での対話を求めたり、韓国が他の委員国に利益を代弁することを求める可能性も否定できないんですね。

で、このため多数決で 2/3 を取るのが難しい、こういった分析もあるんです。

じゃちょっとなかなかすんなりいかない感じなんですねえ。


そこで岸田総理は今回あるチームを官邸に作って、ま、佐渡の金山の登録に向けて準備を本格化させているんですね。それが歴史戦チームなんですね。

歴史戦チームというのは、まあ政権の歴史認識に基づいて歴史的な事実を集めて検証を進め、国際社会の理解を得るための戦略を練るなどの特命を帯びたものですね。

第 2 次安倍内閣で立ち上げまして、官房副長官補を筆頭に官邸に有識者を集め、えー歴史認識が絡む外交交渉の節目で重要な役割を行いました。

世界文化遺産に関しても、2015 年に明治日本の産業革命遺産に登録した時の交渉などで、 まあ日本の立場を伝えたり、国際社会で反論するための資料を準備したりしたんですね。

当時も確かに難航しましたよね?


そうでしたよね。当時も韓国側が反対運動を展開したんですよね。当時の岸田外務大臣が韓国側と外相会談を行って、まあ世界遺産登録に向けて互いにいい協力するということで合意したんです。

ところが登録直前になって、韓国側が合意を覆して調整が難航しまして、外務省交換が再交渉に挑むなど、緊張感が高まったんですね。

最終的に韓国側自らの主張を修正し、登録にこぎ着けました。 けれども、紆余曲折があった日韓の交渉の裏で、このチームも貢献したということですね。

そうした過去の経緯もあって、岸田総理は歴史や公共政策などの専門家や実務化を集め、歴史戦チームを結成し、登録に向けた準備を本格化させたい考えなんですね。

外交筋によりますと、韓国側が国際社会に対して反対を求める働きかけは既に始まっているとみられるだけに、歴史戦チームには反論で耐えうる資料や論拠を固めることが求められます。韓国側が展開する主張に対して、歴史戦チームがいかに機能をするか、そして推薦決定に向けた岸田総理の決断が注目されます。 

佐渡への強制連行があったと書いている新潟県史 通史編近代3 本の関連3ページと、関連書籍2ページをキャプチャーしています。

ここから先は

0字 / 5画像

¥ 100

よろしければサポートお願いします! いただいたサポートはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます!