ロシアで偽物のiPhoneを掴まされた話

 

なんのことだか、という方はまずはこちらのツイートをご覧ください。

https://twitter.com/irinaoficial1/status/1188720194417356800?s=19 

まあ面白い話だけど、どうせいつも通り30ふぁぼくらいでしょうと思っていたが、ところがどっこい、まさかのツイートして1日で3万ふぁぼを超えてしまってびっくり。そんなに面白いか?というか、割と本気で落ち込んでるのに、コンテンツとして受けてしまっていてとても複雑な気持ちになったので、今回の一連の出来事についてまとめておこうと思います。

なぜロシアで携帯を買うに至ったのか

忘れもしない、あれは先月、9月13日の夜のことだった。翌日からペテルブルグに遊びに行く予定を立て、早朝5時の飛行機に乗る予定だった、そして、日本にいるときからチェックして楽しみにしていたプレトニョフの振るスクリャービンの交響曲1番を聴きに行くはずだったあの日。カッサに行ってみるとチケットはすでに完売。仕方がないので諦めて、大学でお世話になっている先生と長期留学中の後輩と、食事に行った。先生指定の日本食。アサヒだったかエビスだったかは忘れたが、日本のビールが飲めた。
そこで食べたお寿司どーん。

よくあるロシアのお寿司でした。ロールは中にチーズ入ってるよ。
そしてこの会で、なぜかめちゃくちゃビールを飲む。本当になんでかわからないけどめちゃくちゃ飲んで、普通に寝ちゃってこれ飛行機乗れなくなるんじゃないか?みたいな感じになった。荷造りもしてなかったし。

と言いつつもまあ普通に寮に戻って、支度をして、でも寝ちゃったら困るからと思ってすぐにタクシーを呼んで空港に向かった。携帯の充電もままならないまま。

そして空港へ向かう、呼んだのはヤンデックスタクシー、あの黄色いやつです(そういえば、ペテルブルグのヤンデックスは普通の車が来るけど、モスクワのはみんなあの車よね)。携帯の電池がないし、1時間ほどかかったので運転手にお願いして、車内で充電させてもらうことに。途中なぜか高速を降りて給油する謎の運転手だったが、なんとか空港に着いた。すると、運転手は車をつけるや否やトランク側に周り、スーツケースを取り出し始めた(別にそれ自体はロシアではあまり珍しいことでもない)。が、なぜか焦ってしまい、急いでお金を取り出し、車を降りて支払うことに。充電中のiPhoneのことなどすっかり忘れて。

そのまま空港へ向かうが、回転ドアに入ろうとした瞬間、携帯がないことに気づく。うっわー、やっちゃったじゃん。でも降りてすぐだから、まだいるかもしれない、という僅かな希望を抱き、先程降りたタクシー乗り場へ。車はもうなかったが、ヤンデックスの運転手がたくさんいたので、車の番号のなけなしの記憶を頼りに、乗っていたタクシーの運転手と連絡をとってもらえないか打診。結局数字は覚えていたのに最初の文字を覚えていなかったのと、とにかく深夜の2時とかだったので、そんなに簡単には見つからない。その上、まさかの自分の電話番号を覚えていないという自体が発生し(だって2週間前に契約したばかりだったんだもん)、助けてくれたタクシー運転手に馬鹿なんじゃねえの?みたいな視線を投げかけられる。
でもまあとにかく、飛行機には乗らなきゃいけないのでと運転手に電話番号を教わり、明日連絡するから!と言って別れる。そしてペテルブルグへ。

早朝にペテルブルグに到着後、真っ先に、出口のところにある携帯ショップへ向かう。そもそもなくした携帯ホームボタン陥没して効かなかったし、そろそろ買い換えようと思ってたし、ちょうどいいや、と思って。beelineとかМТСとか色々あったけど、特に何も考えずTele2へ。別に新しいiPhoneを買いたいみたいな欲はあまりなかったのでiPhone7くらいなら安く買えるかなー、位のノリで見にいった。すると、今回の主人公、iPhoneXちゃんが佇んでいたのである。
とはいえ、わたしだって、ロシアだったら中古を売られたりするんじゃないか?と懐疑的になり、ちゃんとお店のお姉さんに確認した。ついでに、「iPhone買いたいんだけどどう思う?Xは新しいしいいと思うけど高くない?」みたいなことを相談。すると、iPhoneXにしては安い方よ、と。なるほどねー。今思えばそういう意味だとわかるけど、でも、日本の感覚で言えば新品って言ってるし、箱とかもちゃんとついてるし、そんなまさか偽物だなんて思わないじゃん。ぼったくってないよ、くらいの意味だと思うじゃん。そしてまんまと騙され購入。タクシーにおいてきちゃったのよねー、とか楽しく雑談しながら。

セットアップを終えて使ってみると、使用感は至って普通。電池の持ちだっていいしカメラの性能もいいし、うわー新型iPhone優秀!とか思ってご機嫌。まーじで普通のiPhone。偽物のiPhoneにはAndroidのOSが乗ってるとか言うけど、紛れもないiOSでしたよ。アップロードもちゃんと来るし、使えないことはない。強いて言えば再起動とかしたときのリンゴマークが黒地に白で、あれ、なんか昔のやつみたいだなーと思ったくらい。全然疑わない。全然使える。

購入したものはこちら

故障、そして偽物と判明

そんなこんなでなんの問題もなく偽物iPhoneを使ってた。帰国後は前に入れていた格安SIMを入れ替えて。
というのも束の間、先週の金曜日の夜、ディスプレイが音もなく壊れてしまったのだ。落としたり水につけたりなんて一切していないのに、突然真っ暗になり、充電しても効果なし。よく見ると画面の下のところから緑色の光が。まさかと思って通知をつけてみると音が鳴る。あっこれディスプレイ壊れたわ。
ひと月しか使ってないし丁寧に扱ってるのにおかしいなー、と思いつつも、まあロシアで組み立てたりしたからいい加減なのかなーくらいにしか思わず。保証期間内だし大丈夫でしょ、と思いアップルストアを予約。ちなみに付属品の箱にはご親切に紙が入っていて、そこには1年保証について英語で書かれていた。ググっても、海外で買ったiPhoneも日本で保証を受けられる、と出てきたので、交換してもらうつもりだった。

2日間のスマホなし生活を終え、アップルの正規プロパイダに向かうと(最初に行ったのはビックロ)、「中身の部品が細工されている可能性が高い」と告げられる。シリアルナンバーなどを検索しても、製造年が1970年代になってるだとか、購入情報がわからないだとか。とにかくここでは詳しいことはわからないからと言われ、マルイのところのアップルストアを予約することに。

アップルストアに持っていくと、担当のお兄さんは開口一番、「ディスプレイの交換ってしました?」と。してないしてない。先程ビックロで不穏なことを言われたと告げると、中身を確認してくれることに。5分くらい待ったあと、戻ってきたお兄さんから衝撃の事実を告げられることに。

「このiPhoneの中にはAppleの正規の部品はもうひとつも残っていませんでしたので、対応は致しかねます。」と。

?!?!?!?!

えっなにそれ、やば!わたしがiPhoneだと思って使っていたリンゴマークついた光る鉄の塊は、iPhoneじゃなかったの?iPhone成分ゼロだったの?えっ?!?!?!

そもそも購入したお店はApple社と契約を結んでいないらしく(これが一店舗だけなのかTele2全体がそうなのかは謎)、製造に関する情報などもめちゃめちゃにされていたのだと。もう「それめっちゃ面白いですね」、と言うしかなかった。ごめんなさいお兄さん。

そして帰宅後、購入時のレシートを確認してみると、"iPhone X восстановленный"と。なるほど。восстановленныйだけど、новыйなのね。本当に騙されました。
補足 購入時にはвосстановленныйであることはどこにも書いていなかったし店員のお姉さんも言わなかった。見た目は全くの新品のiPhoneで、疑いようがないくらいだった。


ちなみに買ったときの値段は52999rub、ということなので9万円弱でしょうか。iPhone11発表直後だったので、型落ちした値段として妥当かなぁと思えてしまう値段。

Apple社は何も悪くないけど、なんかもう懲りてしまったので、Googleの新しいスマホを買いましたとさ。

こんな記事を見つけた
https://www.kp.ru/putevoditel/tekhnologii/kak-otlichit-vosstanovlennyj-iphone/

togetterにも乗りました。

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