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照明が暗くなり、幕が開く

最前列の観客の目の前を一瞬だけ空中ブランコが通る

1人の団員が玉乗りしながら登場する

玉乗りしながらリンゴをジャグリングする

団員が玉から降りてリストカットする

ライオンが出てくる

舞台袖からピエロがタイヤが8つの自転車に乗って登場する

最前列の観客の目の前を一瞬だけ空中ブランコが通る

ピエロが体温を失う

ピエロと団員がベンチに座り、楽に歌う

ライオンが客席の方を向いて舌を出し、幕が閉じる

終演

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団長：うーーん、どうすれば…　

ピエロ：団長、ミケのお手入れ終わりました

団長：ああ、お疲れ　そうだ、はいこれ（袋を渡す）　

ピエロ：えっいいんですか？なんですかこれ

団長：部屋着あげるよ、着てくれ

ピエロ：部屋着かどうかは僕が決めますよ

団長：こんなのお前にとっては部屋着だろう

ピエロ：これが普段着なわけじゃないですよ　仕事着ですから　そんな事よりどうしたんですか？さっき頭抱えてましたけど

団長：ああ、君も知ってると思うがうちのサーカスの客足が思うように伸びなくてね、どうすればいいのか考えてくれないか？

ピエロ：うーーん、サーカスのプログラムがキモいんじゃないですか？

団長：プログラムがキモい？

ピエロ：玉から降りてリストカットするのとか

団長：あれは血が出て、その匂いに連られてライオンが寄って来るって設定だから

ピエロ：サーカスの演目と演目のつなぎ誰も興味ないんですよ　あとは、空中ブランコが通ったあとピエロが冷えるのもキモいですよ

団長：あれは一瞬通りすぎる空中ブランコが寒波を表してて、それでピエロが体調悪くするってストーリーだから

ピエロ：聞いたら全部ちゃんと理由があって怖いな　意味なくやってると思ってた

団長：それより、動物の数とタイヤの数どっちを増やした方が盛り上がると思う？

ピエロ：どっちも関係ないです　ライオンも全く活かせてないのにこれ以上動物増やしたらダメですよ

団長：ミケは最後のシーンを担ってるうちの大事な役だぞ

ピエロ：ミケ出てきてから最後までウロウロしてるから気が散るんですよ　

あと最後ミケがなかなか舌出さないからってベンチからムチで叩きまくるのも良くないと思いますよ

団長：じゃあ今言われたところは全部改めるよ　あともう1つアイデアがあるんだけど、下品なマジシャンを呼んで、わざと失敗させたりふざけさせたりして緩急をつけようと思ってるんだ

ピエロ：それ俺がやるんですよ　ピエロも全く活かしてないな

団長：あとテントに窓つけたから街みんなで見よう

空中ブランコが通って団長をさらっていく

ピエロ：寒い……（いつもの癖でピエロが体温を失う）