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感受性が強すぎて、すぐ泣くHumanにとって「美しいもの」は劇薬なのです

五感を経て得た刺激が、感情を揺らす。

私が人よりも感受性がおそらく強いと感じたのは、幼稚園生のとき。友だちの家でセーラームーンを見ていたときのこと。

セーラー戦士たちは、一般人である私たちを悪い奴らから守るために必死だった。そして傷ついても仲間と一緒に、再び立ち上がり最後に勝つ。そんなお決まりのストーリーにいつも涙していた。

友だちも、そして友だちのお母さんも、心配そうにどうしたの? と、涙でくしゃくしゃになった私の顔を覗いた。


中学生の時は、遣唐使について勉強する授業中に泣いてしまったのを覚えている。遣唐使は文化や発展のために、命をかけて今では想像もつかない苦労を経て、唐の都に行き、勉学を納め日本に帰ってくる…。彼らの類まれなき信念のおかげで、今私は生きているのだと、感極まったのだ。先生は本気で心配していた。そしてクラスメイトは焦っていた。

放課後になると、グラウンドで汗を流す同級生を見て「なんと青春の美しいことか」と。縄跳びの練習をする近所の小さな子どもを見て「泣いているだけの赤ん坊だった、あの子が自分の力で跳んでいる…うぐっ。」と。

毎日のように、五感で受け取った刺激をダイレクトに感情に落とし込み、喜怒哀楽のジェットコースターに乗っているようだった。喜怒哀楽すべてに涙をつけて。



小さい頃から感動して泣くを繰り返しすぎて、幼い私は疲れ切っていた。高校生になると、刺激を入れないように気をつけるようになった。すぐに涙が出ないように、泣きそうになったときは、ゆっくり10数え、馬の糞にたかるハエを想像したりしていた。

高校生から始めた修練のおかげで、今では人様の前でいきなり泣くことは減った。それでも、夫の前ではがまんできずに毎日のように泣いている。彼は笑っている。面白い顔をしていると言って。



▲普通の人は左側。私は右側で、刺激がすぐに感情を揺らしてしまいます。

こんな私にとって「美しいもの」は劇薬だ。なんせ刺激から感情までの動線が極端に短いので、普通の人以上に感情を揺さぶられてしまう。

たとえば美術館。絵画、彫刻、写真など。アーティストたちの魂が結晶化した作品たち。それが並んでいると考えただけで、涙が出てくるのだ。

(というか、このnoteを書いているだけで、泣いてる私ってなんなの…もう…分からない涙。)

本当は死ぬほど行きたい。画集も買いたい。絵を買いたい。でも、そうそう頻繁にはできないのだ。

高校生のときに行ったゴッホ展で、声を出して座り込んで泣いてしまったトラウマがある。絵の知識はなくても、画家の限界点から絞り出された執念のような何か、を受け取って、展示の途中から前に進めなくなってしまった。監視員の人は私が体調を悪くしたと思い、医務室に連れていってくれた。

そこで優しい言葉をかけてもらい、また感極まって泣いていたのだが。



おとなになった今。美術館に行く前によっしと気合を入れて、自分の周りに気を張る。そこに作家の魂がはいってこないようにATフィールドを張り巡らせる。そして時間をかけずさらっと観るようにしている。本当に気になるもの以外は。

めんどくさいやつ。と私を思う。

それでも私は「美しいもの」が好きだ。探さずにはいられない。この身を削ってでも、享受したい。誰かの感情が込められたものを、素通りするなんてできないんだ。


うーん。何を言いたいのか、分からなくなってしまった。


今はネットを通して、世界の美しいものがスクリーン上でも楽しめるようになった。もちろん生で観る衝撃的な身体の震えにはかなわない。けれど、パソコンの画面上からでも充分に人(私)を泣かせるパワーがあるものも多い。

やっかいで、それでいて素晴らしい時代に生まれたもんだな…。としみじみ。あぁ、やっと涙が乾いてきたので、今日はここで失礼しますね。


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もし、もし。私と同じような「感受性強すぎて、すぐに泣くHuman」がいらっしゃれば、ぜひお話したいです。一般的にはHSPと言うらしいですが、私は特に「美しいもの」にとても弱いです。

それはアートだけではなく、誰かの頑張りの軌跡だったり、壮大な自然だったり、あたたかい言葉だったり…です。


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感動デス!
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東洋子

寛容とは何かを常に考えている人です。コラムを書きつつ、編集者をしています。ハノイ在住。

余白を作るため日記

感情を外付けドライブに移します。
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コメント17件

はじめまして。まるで自分のことかと驚きながら拝読しました。私も子どもの頃からすぐ泣きます。時間の流れを感じる歴史上の人物にも、海を染める夕日にも、あと誰かの努力が見えるといちばん弱く、合唱コンクールは号泣。けっこう大人になった今も、駐車場の入り口でおじいちゃんに誘導されると涙腺が崩れまくり、車はいつも上手く停められません。HSPっていうんですね...初めて知りました。
共感度の高いnoteのエントリーをありがとうございました。
nico_michieさん
コメントくださってありがとうございます。そうそう、他にこんな涙もろい人がいると知らなかった時は、自分だけが変なのかな〜なんて悩んだりしていました。私も同じような感じ方をする人が、実はたくさんいらしゃると知って心強いなと思っています。
madokayanagisawaさん
分かります。オリンピックとか見ていると号泣です。もうみんな一番でいいじゃんと、がんばったじゃんと思ってしまいます。訓練で我慢することはできますが、涙がでるほど感情が揺すぶられるというのは、私の個性で治るものではないんだなぁと感じています。コメントくださって、本当に嬉しかったです!
はじめまして。自分がつい数日前に泣きすぎたことを書いたのですが、東さんの記事を読んで自分も公共の場で泣いて人を困らせたことを思い出しました。そして東さんの記事をよんでまた泣いてしまうという。でもなんかちょっと嬉しい涙でもあります。同じように感じてらっしゃる方がいるのだ!と嬉しくなりました。それと泣かないためのシールドを張るとか「あるある!」と前のめりに嬉しくなりコメントさせて頂きました。
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