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早稲田から仮面浪人を経て東大へ…塾なしで無名校から東京大学合格体験記

早稲田から東大へ


3月10日の合格発表で長男の東京大学文科Ⅲ類への合格が決まりました。
早稲田大学から1年間の、いわゆる仮面浪人生活を経ての合格でした。

本人が希望して入学した早稲田大学でしたが「東京大学で勉強してみたい。」という気持ちが日に日に高まり「早稲田の授業はしっかり受けて単位も取るので、来年東大を受験させてほしい。」との 強い希望で
1年間、大学生と受験生という二足のわらじを履くことを応援することになりました。

大学生と受験生の2重生活

言葉通り、前期の授業はできる限り多く取り、集中して勉強した結果、成績が出るころには教授に「君の気を付けるべきところはただ一つ、体を壊さないようにね。」と言われたくらいでした。

おかげで後期は大学の授業負担も少なく、6月に入学手続きをしたままほとんど通っていなかった自動車教習所にも通いながら、受験勉強に打ち込むことができました。

塾なしで有名進学校にも行かず東大受験

中学・高校は私立でしたが有名校ではなく、いわゆる「自称進学校」。東大進学者も息子が初めてです。

それゆえ、学校サイドは東大受験のノウハウを持っておらず、そもそも本人も私達両親も、入学時点で「東大を目指したい」「東大を受験してほしい」などとは微塵も思っていませんでした。

しかし本人は英語部の活動に打ち込み、仲の良い友達に恵まれて、楽しい学園生活を送れたようです。

また、これまでの人生で塾というものにほとんど通った経験がありません。大学があるので予備校に通わせるわけにもいきません。

しかしさすがに自力だけで東大の2次試験を突破しようとするのは無理と判断し、週1回2時間程度、現役の東大生にZoomで家庭教師をお願いすることにしました。

東大2次試験の解答用紙はほぼ真っ白

東大の2次試験はすべての科目が記述式なので、解答用紙はほぼ真っ白の原稿用紙状態です。正解を書けばよい訳ではなく、どういう根拠で、どういう試行の道筋を経てその答えに行きついたのか? 採点官が納得するように説明しなければ合格に必要な点はもらえません。

それを一番よく表しているといわれるのが世界史の「大論述」です。

あらゆる地域、あらゆる時代の歴史を理解し、同じ時代の各国の史実を網羅的にとらえ、論理的に表現する力を600字の記述形式で問う問題です。大学受験世界史・最難関の問題と言われています。600字詰めの原稿用紙をドン!と渡された状態を想像してみてください。

東大の教授の中にも「この世界史大論述で良い答案を書けるような学生を東大は欲している」と言われる方もいるくらいです。

息子は早くから世界史に興味を持ち、好きで世界史の知識をため込んでいました。TVで歴史番組が始まると、聞いてもいないのに解説が始まり、延々としゃべり続けるようなタイプ。いわゆる世界史オタクですね。

早稲田や上智その他の私立大学の合格にも得意の英語・国語の他に世界史が寄与していた事は想像に難くありません。

ただ数学が苦手で、模試でなかなか点数が取れず苦戦していました。
しかし自身の体験を基にした家庭教師の指導が功を奏し、模試で安定した成績が取れるようになっていきました。


共通テストショック‼

そうこうするうちに年が明け、共通テストの日となりました。
初日の文系科目はまあまあの感触だったようですが、2日目の数学が終わると「メチャクチャ難しかったよ~。」とショックが隠せない様子。
その夜のネットニュースにも受験生たちの悲鳴が渦巻いていました。


直前模試がD判定⁉

さらに追い打ちをかけて、これまでA判定だった模試が直前でなんとD判定!
数学はこれまでで最高点、しかし!なんと得意なはずの世界史の点が10点以上も低下、順位もこれまで常に2ケタ台だったものが3ケタ台に…。
「今まで通りに解答しているのに…。」

訳が分からず、家庭教師に相談すると…。
「何度も模試を受けているうちに、解答の仕方に悪い癖がついているのかもしれません。」
と解答を共有してアドバイスを頂き、それを意識しながら書くようにしました。

とはいえ、本番まであと1か月足らず。
もう、受けられる模試もありません。

これまで物心ついてからの彼に対して「勉強しなさい。」といった記憶はほとんどありません。(本人も言われた記憶がないというので私だけの 思い込みでもなさそうです)

「でも今回だけは言うね。勉強しなさい。後で『あの時もう少し頑張っていれば…。』と後悔しないために、残りの期間死ぬ気で勉強しなさい。」

強い後悔はその人の人生を簡単に破壊する力を持っています。 自身の経験からそのことを私は痛いほど分かっていました。


自由にやりたいことを気が済むまでした子供時代

小さい頃から彼に何かを強制することはあまりしませんでした。🔤英語も環境作りを重視し”教え込む”ということはほとんどしていません。🔤気づいたら自然に英語が聞こえてくるような環境を作り、その中で自分の興味が湧いたことを好きなだけできるよう、家では家族との触れ合い以外はできるだけ自由な時間と空間を大切にしてきました。

遊びでも勉強でも、何かしら面白いことをどこからか自分で見つけてきてやり始め、興味を持って始めたことは最後まで集中してやり切る様子がみえたので、私はただそれがやりやすく、時にはより広がるようにそっとサポートしてきたのです。

東大受験も自分で決めて努力してきたことです。 結果はどうあろうと最後までやり切ったと自分で思えるのならそれで良いと思います。

しかしここで 気を緩めて、終わってから後悔するようなことをして欲しくはありませんでした。

緊張の中二日間の入試本番を終え、仲の良い友達と温泉旅行に出かけ、スッキリした笑顔で 帰って来た彼。

そして2週間後の3月10日午後12時過ぎ、 大学ウェブサイトの合格者発表欄の中に自分の受験番号を見つけ、歓喜の声を上げ、 嬉し泣きする息子。すぐに夫からも電話で「おめでとう!」

私はといえば、嬉しいというよりも ホッとした、というのが正直な感想でした。「こんなに入りたかったんだ、願いが叶って本当に良かった…。」と安堵の気持ちが時間とともにじわじわと湧いてくる感じと言えばいいでしょうか?


東大2次試験の配点、採点基準はブラックボックス

東大2次試験の配点、採点基準はハッキリと公表されていません。
大手有名予備校の間でも意見が割れます。
ある予備校の模試では高得点、別の予備校の模試では低得点ということもあり得ます。

東大の問題の解き方は東大生に聞け

塾や予備校は過去の膨大なデータから問題の傾向を読み解き、解答方法、採点基準等を分析します。
しかし、東大側からすると「この採点基準は違う…。」ということもあるらしいです。

結果論ですが、息子の場合、実際に合格し東大の問題の解き方・加点を得る方法を身をもって体得した現役東大生に教えてもらったのはベストな選択だったと思っています。

0,1ポイントの僅差でも明暗を分ける

理系文系を問わず、それぞれの科類の合格最低点が毎年発表されます。
あと一歩のところで涙を飲む受験生は大勢います。
それは数点の差のこともあり、時には0.1ポイント差の僅差で明暗を分けることもあるのです。

受験はそんなものといえばそうですが、東大の場合特に、合格最低ラインの上下にほぼ拮抗した学力の学生たちが何百人とひしめいているのです。
そのため なんならその日の体調や運も合否に関わってくる可能性があります。模試で常に A 判定をとっている学生でも本番で不合格になることもまれではありません。

常に蓋を開けてみるまでどうなるかわからない非常に不確定要素の強い試験それが東大2次試験です

学力・忍耐力・精神力・度胸・ 運、全てが必要なのが東大入試だと言う現実を、親の私たちも思い知らされました。

最後は運も味方してくれたのでしょうが、そんな困難な試験を早稲田大学の授業もしっかり受け、きっちりと単位もとりながら突破した息子に「おめでとう!本当によくがんばった。よかったね。」と心から声をかけました。

息子からは、「今まで自由に好きな事をさせてくれてありがとう!楽しかったよ。」と感謝の言葉をもらいました。私にとっては何よりのプレゼントです。

これからも東大で伸び伸びと好きな事に打ち込んで、自分の世界を広げていってほしいと願っています。

追記:結局英語育児は大学受験に役立ったのか?

🔤結論から言うと以下の理由から非常に役立ちました。

🔶受験勉強としての英語にあまり時間を割かれることが無く、その分の時間を他の教科に充てることができた。

🔶早稲田・上智等、私立大学の受験では、一般入試の他に英検級やスコアを使用した受験を併用することができた。

🔶東大受験では、得意の英語で安定的に高得点を出せることで、苦手科目の数学の穴埋めができ、世界史・地理をさらに伸ばすために時間を費やせた。

🔶理系も文系も受験科目に英語は必須。

🌌子供がまだ小さな頃、私自身の英語学習時に見ていたTVの英語講座の講師を務めるなどして、大変尊敬していた先生が、ご自身の書籍で「子供の早期英語教育は必要ない。」と断言しておられるのを読んで戸惑いました。

しかし今は「その時止めないで本当に良かった。」と心から思えます。


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