天の恵みを受け取る器

「魔女としては、農林水産の恵みをうけとる器と術すべを失うわけにはいかないわね」

アルバは花を摘む。行き先は花瓶。
家の中の風の通る場所に瑠璃色の花瓶があって、そこへ花を活ける。
家の中に花から放たれる音が響いて、美しい。
音は天井へ向かい、幾筋かの放物線を描いていく。
無限に反響し、放物線が重なる。
やがてその音は「雰囲気」を創り出す。
その花だけが奏でる歌が家の空気を変えていく。

なんというシステムだろう、とアルバは感心する。

魔の理を能く法る者 マノコトワリヲヨクノルモノ~夜明けの魔女アルバのオラクル日記~その8より。https://ncode.syosetu.com/n5757hf/8/


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