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愚鈍のクリスマス

(画像は本文とは何の関係もない漫画の作ってる途中の絵です。進捗を上げるのは本来あまり好きじゃないんですが、最近漫画以外に絵とか描いてなくて画像がないのですいません)

どうもです横山祐而です。
今日はクリスマスイブですね。だからといって何だということもないけど、行事というものは認識することが大事なのだ。

【愚鈍の人として】
人生で頭がいいねと言われたことがない。いや、10代までは言われていた。大学入学以降のことである。大学入学を機に愚鈍な人間という扱いを受け続けて今に至る。したがって、本当にどうでもいいことだと頭ではわかっているが、たまには横山さん頭いいですね、あの人は頭がきれる、回転が本当に速いなどと言われてみたいなあと思ったりする。ずっと他人が言われるのは見てきた。言う人は他人についてそう言い、そして視線を私に移してそれに比べて目の前のこの愚鈍は…という空気を出してくるのである。悪感情を伴っていることは少ないから別にいいのだ。でも時々悲しいのだ。だから自分はこの歳になって漫画をまた描き始めたのかもしれない。もし横山さんは本当に優秀で頭のきれる出来る人だねと言われていたら、漫画なんか描かず、もっと本業で大成する方向で頑張っていたのかも知れない。そういったことについて、時々罪悪感や自己嫌悪に苛まれることがある。そんな気持ちもあって、絵とかも殆ど人に見せないし、漫画も秘密である(描いていることだけはたまに言うが、見せたことはない。また、職種としても漫画や絵とは最も縁遠い類のものなので言っても特に興味を示す人もいない。興味を持たれて見せたところで「まあ大して上手くはないね」と言われるだけである)。少なくとも現時点では職場には知られたくない。そんなことにかまけて本業への向上心が足らないからあいつは愚鈍なのだと思われてしまうのではないか。そんなふうに思ってしまう自分がいるのである。仕事だけではない。子育てしている人とかの視線も気になる。趣味をやってますなどと言おうものならそれまで友好的だった態度が一転、自分の時間があっていいね〜私もそんな時間があったらなあ〜!(何か怒りの口調)とか言われてしまう。以前編み物を見せただけでそうなったことがあるのでトラウマである。そんなわけで、本業以外の自分の嗜好や趣味、自分のパーソナリティの半分以上は、もうずっと長い間夫氏以外には秘密のままだ。もちろん世の中には自分のような人ばかりでなく、職場等に全部オープンにして受け入れられている人もいるが、そういう人はおそらく本業である程度有能さを発揮できている人なのだろう。だから受け入れられる。自分は残念ながらそうではない。そういう人は一見して圧倒されるようなプロの如き超絶画力か、みんなの心にするっと入り込む共感誘発性でもなければいい歳こいてあの人はイタいと言われるくらいがオチである。さらに残念なことにはテーマが戦国時代というのも難しい。一見してわかるお仕事エッセイなどと違い、この大内ってのはあーで尼子ってのがいて、などと説明しなければならない話な時点で、普通の人からしたらなんかオタクくさ…こわ…である。
そんなわけで、多分周囲からは中身が異常に少ない、よくわからない人だと思われていると思う。それでいいと思って生きてきた。しかしそんなことを言いながらなぜこの記事の冒頭に進捗画像なんか載せているのか?結局のところ、自分はここにいるよー!と世間に呼びかけたい浅ましい気持ちが常に拭いがたくあるのだろう。やっぱり何か悲しい。
でもそんな暗い気持ちになっていてもなんもいいことはない。漫画どころか本業に悪影響が出て、誰も幸せにならない。愚鈍さを克服する唯一の方法は、自分の場合は少しでも楽しい時間の割合を増やすことだ。なるべく楽しく生きていきたい。メリークリスマス。


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